勇者爆発した
@asashinjam
首の章
第1話【勇者の裁判】
「勇者ファウスト、ここへ」
王国立最高裁判所に勇者ファウストがやって来る。
全ての武装を外され、簡素な服に身を包んでいるが
その姿に気負いも憤慨も後悔もありとあらゆる悪感情は見受けられず
正に平時通りの姿で現れた、最高裁判所裁判長が勇者に罪状の確認を行う。
「勇者ファウストよ
そなたは禁じられし外法を使い魔王を倒したと言う疑いが有るが真か」
「相違有りません」
騒めく傍聴人と警備、陪審員達にも動揺が走る。
「そなたは己が罪を認めると言うのか?」
「ええ、私は魔王を殺せれば自分が死のうが如何でも良いので
死刑も甘んじて受けるつもりであります」
「何と・・・気は確かか?」
「恐らく狂っているでしょう
私自身七面倒な事は嫌いなので素直に断頭で良いのでは?」
自らの処刑法を提案する罪人
まるで今日の食事は何にするのか提案するかの如く
正に粛々と淡々と滞りなく裁判は進んだ
王宮の者達の姦計通りに勇者の希望通りに
世間一般の道徳の教科書通りに
外法を使った外道の処刑が決まった
「・・・気に喰わぬ!!」
傍聴席で1人の老人が憤慨する
彼の男の名はフォースタス・マーロウ、この王国の王である
「如何成された陛下」
王の傍に控えるは騎士スクラッチ
次期王国近衛長の地位が約束されし王国一の槍の名手で
この男が勇者ファウストが外法を使ったと密告をした男である
「何故、奴は死を許容するのだ!?何故みっともなく命乞いをせぬのだ!?」
「陛下、奴は外法に身をやつした外道で
奴自身認めている通り狂人なのです、狂人に常人の法は通じませぬ」
「餓鬼をあやす様な言葉を吐くな小僧!!」
「も、申し訳ありません、失言でした」
深く頭を下げるスクラッチ
「・・・良い、このまま勇者を生かしておいても不愉快になるだけだ
断頭台の用意をしろ、遅くても明日の夜迄には奴を断頭台の露にしろ」
「かしこまいりました」
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