禁固365年の男

紫斬武

プロローグ

プロローグ

暗い暗い独房の中、鎖に繋がれた一人の青年。


静寂の中、下には小さなドア。そこが開くと差し出されたのはパンとスープ。


青年は立ち上がり慣れた手付きで食事を引き寄せた。


最初はパンを千切り、スープにつけて口に運ぶ。これは何度も、何度も、繰り返された日常。


「………今日で………」


顔を上げ、光が薄暗く差し込む鉄格子に目を向ける。


繰り返される動作、言葉、これも何度も、何年も、も繰り返された日常である。


「364年目、あと…一年」

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