第32話 閑話 たまには1人の木曜日
相変わらずの暑さが続く。
8月14日世間はお盆休みのところが多く、駅前の商店街も大半が連休をしている。
鈴羽は16日まで家族で父方の実家に帰っているのでしばらくは会えない。
関東圏、東京では7月に新盆をする地域もあるのだが全国的に8月に行う旧盆が一般的だろう。
僕の実家は華道ということもありお盆は来客で案外忙しい。
父さんも退院したので、きっと張り切って仕事をしているのではないだろうか。
「意外とやることないものなんだよね、店は大体閉まってるし」
閑散とした商店街をひとり歩き、コンビニでちょっとした軽食を買って帰る。
リビングでソファーに座ってなんとなくテレビをつける。
最近よく見かける関西の芸人さんが、街中をぶらぶら歩く番組をやってる。そういえば前見たときは違う芸人さんだったよな。
浮き沈み激しいらしいから大変なんだろうなと思ってチャンネルを変える。
「・・・・・・」
テレビをボーっとみながら僕は、うとうとと目を閉じた。
「う〜ん、あれ?ああ、寝てたのか。えっと、何時だ?」
時刻は午後の5時半を少し回ったくらい。
スマホにはメールが数件。
鈴羽から実家に着いた報告と実家あたりの景色だろうか?車から撮ったであろう写真が何枚か添付されていた。
「へ〜、なんだかのどかそうな所だなぁ。田舎ってほどじゃなさそうだけど」
この辺りほど高層ビルが立ち並ぶわけでもなく、かといって田畑が広がってるわけでもなく。
「こういうとこもゆっくり出来そうでいいよな、でも毎日はちょっとしんどいか」
キッチンで眠気覚ましにコーヒーを飲みながらメールを見ていく。
あとリョータからは、結局あの2人と遊びに行くことにしたらしい。もちろん別々にだ。
可愛い女の子2人から好意を寄せられるって、嬉しい話だと思うけどな。
僕はメールを見ながらコーヒーを片手に入り口に立ってリビングを見渡す。
「ここのところ2人でいることが多かったからなんだか広く感じるなぁ」
クッションを片付けながらそういえばと。
来週からは妹の緋莉が来るから部屋の片付けしとかないといけないか。
来週なら夕方から仕事帰りの鈴羽も来てるだろうから賑やかになりそうだな。
緋莉は鈴羽がすっかり気に入ったみたいだし、前行ったショッピングモールにでも連れて行ってあげようかな。
今日はそんな静かな1日だった。
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