ゴミ人間

GARA

1話 六月(1)


今日はいい天気だな



そう頭中に言葉が浮かんできた。

窓の外はザーザーと雨が降りそそいでいる。

灰色の雲が自分の影が作れないほど酷い天気だ。

泰介は廊下から先生が頼んだプリント運びの仕事をやりながら、外を見ていた。


しばらく歩いていると、自分のクラスの2年3組がみえてきた。


泰介には騒いでいる教室がうるさくて外の雨の音が聞こえなかった。

いまは昼休みで教室には定規バトルしている人や

喋っている人、指スマしている人がいた。


「泰介!お前もやる?」


泰介の同級生の上沢しんじがペンを持ちながら喋っている。


「やる!」


泰介は活気のある声で言った。

100円ショップで買った定規と家にあるペンを持ってしんじの集まりへと行った。


「泰介入ったから最初っからな!」


「おけ」


「はいはい」


「わかった」


全員ちがう返事をした。


順番はじゃんけんで決めた。

先行は少し太っている神谷

次は筋肉質でメガネの阿久沢

その次が泰介

その次がイケメンの加藤、

そして最後が身長が低いのしんじだった。


神谷が定規を打つと、チャイムが鳴った。


「なんだよぉ〜せっかく始めたのにぃ!」


阿久沢が呆れながら言った。


「次移動じゃね?めんど」


加藤がそういうと、みんなが嫌そうな顔をしている。


「早く行こうぜ」


そうしんじが言うとみんなは次の授業の

理科の準備をしに自分の席に歩いていった。


準備し終わるとしんじのところへまた集まり直して教科書とファイルを持ちながら教室をでた。


「まじ理科だるすぎじゃね?

まじめんどいわ」


「ほんとどうせ将来使わないのばっかなのになぁ!」


泰介は阿久沢に肩を二回叩かれた。


「それなぁ」


泰介は棒読みで言った。


理科室に着くとすぐに授業が始まった。

今日は科学の実験だった。

1人一枚プリントが配られたが、泰介は配られた瞬間に

理科の先生にバレないように図やプリントの問題、結果や感想を書いた。

後から描くのがめんどくさかったからだ。

書き終わると同じ班のみことが


「あんたなんでなんもやってないのにかいてんのよ」


「予習したからだよ」


「いやちゃんと実験やりなよ」


「多分合ってるよ」


みことはクラスの中で一番人気な女子だ。

可愛くて、性格もいい完璧な女だった。


「全くあんたは気楽でいいね」


「へー」


「へーじゃないわよ!」


「それよりみこと」


「なに?」


「後ろ」


みことは後ろを振り向くと先生がつったていた。


「みーこーとさん?」


「あぁ!すみません」


みことは慌ててぺこぺこしたら

クラスのみんなが笑った。



6時間目は総合だ。


「田山先生!はーやーく!」


一番はじの席の坊主の田中が叫んでる。

席替えをするらしい

うちの学年は二ヶ月に一回席替えをするというルールがある。


「田山先生ー!席替えはやく!」


みんながそのコールをすると担任の田山先生は


「はいはい!静かに席を発表します」


田山先生は、そういうと黒板に磁石で席表貼った。


ざわめいた。


後ろの席の前川が笑いながら言った。


「お前木村春と隣とか最悪じゃん」


木村春はデブで性格の悪いクラスの嫌われ者だった。


「まじかよ…」


泰介は悔やんだ顔をした。


「でも川上と席近いのはいいなぁ

俺なんて誰とも話す相手がいねぇ

周り全員コミュ障のいんきゃだぜ?」


前川は悲しそうに言った。

それに対して泰介は


「おつかれさん」


の一言を言った。



席替えが始まった。

ガチャガチャうるさい教室がまたしても雨の音を消し去って行く。


泰介の席は窓側の一番後ろの一番地味な席だ。

川上は前の席にいた。

木村春は隣の席で席替えした後にすぐに本を読み始めた。


席替えがおわり教室が少し静かに鳴った頃に

川上が話しかけてきた。


「よろー!」


「はいはい」


泰介がそう答えた。

すると川上が小さな声で


「木村春と席近いって最悪だなぁ」


「まじそれな」


泰介がそういうと

川上が笑顔になった。


総合も終わり、

帰りの会が始まろうとしていた。

すると加藤がバックを取ってる途中に話しかけてきた。


「お前も災難だな。俺の隣は河村だぜ?」


河村は女子の中では人気だが、

男子の中ではあまり人気の高くないそんな女子だった。


「いや木村春の方が最悪だろ」


「まあそれはそか。がんばれがんばれ」


加藤は、笑いながら言った。


帰りの会が終わると

みんな一斉に教室を出て行った。

窓の外を見るともう色々な人が傘をさして帰っている。

今日は特別日課で部活も掃除がないので

はやく家に帰ることができる。


泰介は教室を出て教室の右ににある傘立てからビニール傘をとり玄関口へと行き、外へ出ると黄色と黒の傘をさした

イケメンの山口と同じ部活の早瀬がいた。

この三人は昔からの幼馴染である。


「おーそい!」


「泰介お前は遅いんだよー」


「お前らが早いんだよ!」


泰介はいいかえした。

そして家へと歩き始めた。

帰り道はくだらない話ばっかする。


30分くらい歩いて

家へ帰った。

家の鍵を開けて

玄関で雨で濡れた靴下を脱ぎ、足を洗面所のタオルで拭きそのまま自分の部屋に行きベッドにゴロゴロし始めた。

そしてベッド下のタンスの中の本を読み始めた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


泰介は三時間くらい本を読みつ付けたのですっかり外は、真っ暗だった。


泰介は、本をにしおりを挟んで自分の机の引き出しの中にある設計図をとった。

どんな設計図かというと


時を戻せる装置の設計図だ。


泰介はそれを机の上において、30センチ定規と鉛筆でなにかを書き始めた。

泰介のゴミ箱や机の周りには沢山の計算した後の紙をがある。


書きながら泰介は考えた。


(今日もだるかったな。

だから嫌いなんだよ

‘‘ゴミ人間’’どもは)


泰介は天才だった。

何もかもできる天才人間だった。

泰介は自分以外の人間をゴミだと思っているらしい…














あとがき


この話は設定が好きなので突然しっそうしたり、人気がなかったら消去したりはしません

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