スパイウェア

今日、メールリストに本社からのビラが入っていた。


【短期採用命令】

2231年05月23日からの2年間、あなたに短期

採用の義務を与えます。

身支度をご準備の上、05月23日に本社ロビー

にお集まりください。

以上。

AWD


面倒だ。とてつもなく面倒だ。

今日は5月21日… 明後日じゃねえか。ふざけんな。せっかちにも程がある。本音を言えば、絶対に行きたくない。


しかし、そんなこと言ってるのもつかの間。焦っているうちについに悪魔の23日が来てしまった。


本社に着くと、すぐに多くの社員が出迎えてきた。緊張をほぐすためだろうか、俺にとっては逆に緊張してしまって仕方がない。

まず、CEOからの長ったらしい挨拶があった。少なくとも俺の耳に入ってきたのは、俺が昔から好きだったアニメの話題だけであった。


その後、担当の部署に分かれ説明を聞いた。どうやら俺は スパイ と言う役目らしい。

しかし、これに関してはあまり不満は無かった。もちろん、現地で拘束されたらもう終わりなように、とてもリスクのある仕事だとは分かっていた。しかしながら、自ら戦地に足を運ぶ "サイバー隊" や、新型ウイルスを研究、製造する "兵器担当員"などと比べたら全然楽な方だと思っていたからだ。

これくらい、少しは予習したんだからな。


出発はもう明日のようだ。何故そんな急いでいるのか、俺には意味が分からない。

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