◆Middle10◆悲しき再会

GM:遺跡最深部だ。


エルムン:女王蟻との対面……!


GM:ところがどっこい。出口らしきものは一向に見当たらずコーネリアの姿も見つからない。どうやら、この先最深部に進むしかないらしい。ずっと奥に進んだところで、大きな部屋に突き当たる。その部屋の奥には観音開きの大扉が存在している。そして、その扉の前に誰かがいる。それは男のようだ。キミたちに気付いたのか、その男──ガラドアは、槍を構えた。


一同:えっ!?


GM/ガラドア:「……」


エルムン:「お父さん!?」


GM:その男が槍を構え、扉の前で行く手を阻む。目に光はなくキミたちが何を言おうと聞く耳を持たない。PCからの距離は5m、キミたちは同一エンゲージだ。


フォシア:やっぱり倒すしか!?


マーセイディズ:《クウェリィ》を宣言!  


GM:なんだい?


マーセイディズ:助ける方法あります?


GM:ない。唯一あるとすれば、彼を弔うことくらいだ。既にその身はアンデッドである。


マーセイディズ:くう……。


フォシア:……。


アンネリカ:死体ではあるのね……。


エルムン:Oh……。


GM:──3年前、インフェストアントが遺跡奥に巣食っていることに気付いた彼は、マード遺跡探索に挑んだ。しかし神殿の思惑にまでは気付かず、遂には彼らに寄生されてしまい、操られている。その身は既に死人であるが、生前に近い姿で利用されている。


マーセイディズ:その情報共有しますね。


GM:──が、操られている最中も、自我はある。


一同:えっ!?


フォシア:むごい……。


GM:だからこそ、彼の声を持って伝えよう。「……俺を……殺せ……」と。


エルムン:「そん……な……」


マーセイディズ:「っ……」


GM:敵は槍の名手、ガラドア。しかしそこに自我はある。操られているが、それを、なんとか抑え込もうとする。


フォシア:「エルムン……さん……」気遣わしげな眼で見る。


エルムン:「……」ぐっと槍を握りしめる。


マーセイディズ:「……エルムン君、君の一言で私たちは動きます。ごめんなさいコーネリア……このような結果で……」


エルムン:「僕がやらなきゃ……いけないんだ……! 父さんを……解放します!! 力を貸してください!!」


マーセイディズ:「はい、お任せください。弔いましょう」


フォシア:「もちろん、です……!」



【第一ラウンド】



GM:あ、飛んでていいよ。


フォシア:わーい。


GM:ガラドアは最後の自我で何とか踏みとどまっている。しかし蟻に操られているだけあって、戦いはするぞ!


フォシア:ムーブアクションで近づいて、メジャーで《エアリアルレイブ》!(ダイスを振る)命中は10。


GM:(ダイスを振る)ガラドアの回避は8で失敗。


フォシア:2d+12で(ダイスを振る)19のダメージです!


アンネリカ:待機しますね。


GM/ガラドア:「エル、ムン。殺れ……」


エルムン:「……はい、師匠!!」戦闘移動でエンゲージ。マイナーで《インビジブルアタック》メジャーで《バッシュ》します。(ダイスを振る)17!


GM:(ダイスを振る)14で失敗。ダメージどうぞ。


アンネリカ:魔法の方が通る気はするのだけど《ディスコード》エルムンさんでよい?


マーセイディズ:うんうん。いこうこう。


エルムン:任せる!


アンネリカ:では《ディスコード》で(ダイスを振る)2点ダメージ増加で!


エルムン:(ダイスを振る)28!


マーセイディズ:《サモン・フェンリル》!(ダイスを振る)13です。


GM:(ダイスを振る)14で回避成功。続いてガラドアの手番だ。マイナーで《スマッシュ》を宣言しダメージを強化。続けてメジャー《ブランディッシュ》で範囲攻撃、対象は勿論同一エンゲージにいるエルムンとフォシア!


フォシア:ひえっ。


アンネリカ:あっ、どっちか避けて避けて。


GM:(ダイスを振る)命中は12だ。


エルムン:(ダイスを振る)11で失敗。


フォシア:(ダイスを振る)20で回避成功!


GM:エルムン、覚悟はいいか!


エルムン:「……来いっ!」


GM/ガラドア:2d+9+9でダメージは(ダイスを振る)22だ!


アンネリカ:「サポートはまかせてください!」ダメージロール直後プロテクションで(ダイスを振る)11軽減!


エルムン:《ウェポンガード》を宣言! 防御中1回、物理ダメージを武器攻撃力の半分軽減します。受けたダメージはこれで……えっと、1!


GM/ガラドア:「ッ!」キィン! キミの槍とガラドアの槍がつばぜり合いを始める。「まだ、甘いな。だが、いい筋だ……」キミの槍裁きを見て、ガラドアはそう微笑む。


フォシア:親子対決かつ師弟対決……。


エルムン:「くっ……!」掠った。


アンネリカ:マイナーでMPポーション使用(ダイスを振る)7点回復。メジャーは《ジョイフルジョイフル》をエルムンさんに! (ダイスを振る)よし、クリティカルなのでコスト0。


エルムン:コスト0はでかい!


マーセイディズ:演出あつい。


GM:これは後々響く。エルムンこい!


エルムン:ではふたたび《インビジブルアタック》続けて《バッシュ》いきます!(ダイスを振る)命中は17!


GM:(ダイスを振る)また14だわ(笑)。


マーセイディズ:固定値かな?


 槍がエルムンの頬を掠めた直後、反撃へと転じる。

 その動きは、既に知っていた。


エルムン:「この動きは……知ってる!!」(ダイスを振る)19のダメージです!「せいっ!!」コストが重くなってきた……!


GM/ガラドア:「っ!」まだまだ!



【第二ラウンド】


GM:セットアップでガラドアが武器、ウィンドライダー改の効果を使用する。


アンネリカ:むお?


GM/ガラドア:「ハァ……」槍を構え直す。ここからが本番だ。装備者の【回避】判定に+1、ラウンド持続。1点の差は大きいぞ。


フォシア:《エアリアルレイブ》で攻撃!(ダイスを振る)17!


GM:2D+6で(ダイスを振る)16で失敗。惜しい、1足りなかったか。


フォシア:うしっ。


エルムン:おー!


マーセイディズ:うわああこっわああい。


アンネリカ:やっぱ固定値2上回られてると怖いね。


フォシア:(ダイスを振る)ダメージは20です!


GM/ガラドア:「……エルムン……」《最後の悪あがき》を宣言。リアクション-1Dし防御0としてこのラウンド中このエネミーのデータを扱うぞ!


アンネリカ:泣ける。


GM/ガラドア:「みせてくれ……お前の、成長した、姿を……」


エルムン:「……うん、父さん!」《バッシュ》!(ダイスを振る)18!


GM:リアクションは-1Dされているので、どう足掻いても回避はできない──自動成功だ。


アンネリカ:そこに《ディスコード》します!(ダイスを振る)5のダメージ増加!


エルムン:「うああああああああああっ!!」フェイト1を使用!(ダイスを振る)合計で30のダメージ!


GM/ガラドア:「ああ……エル、ムン──強く、なったな……」


 エルムンの槍がガラドアの腹を貫く。長い年月が経ちぼろぼろとなった鎧は見事砕かれ、腹部を貫通。そこに寄生していた蟻を討ち滅ぼす。

 がたりと、ガラドアの身体が崩れた。よろけて倒れるその身を、エルムンが優しく抱き留める。


エルムン:「……っ!」


GM/ガラドア:「エルムンよ、よくやってくれた……」まだ、まだ、息はある。しかし、その身は徐々に朽ちていく。


エルムン:「父さん……!」


GM/ガラドア:「この蟻どもは、人間を食糧とし、招き寄せている。奥に、女の子が、そうだ、あの子は、コーネリア。すまない……奥には、女王が、いる。女王の骨格は、堅いが、弱点がある……そこを、探れ」

 フリーアクションで《腹を狙う》を宣言することで女王蟻の持つ骨格スキルを無視しダメージを与えられる。その変わり命中判定達成値-1だ。

「ああ、そうだ」

 既に視力も失われているのか、おぼろげに手を天に伸ばすよ。


エルムン:手を握る。


GM/ガラドア:「お土産が、あるんだ」


エルムン:「……!!」


GM:ガラドアが使っていた槍。PIGP104に掲載されているのウィンドライダーをLV1用に改造し、さらにフィルボルが使用する時のみ重量を5として扱う特殊武器だ。これを受け取るが良い。キミの筋力なら余裕でその槍を装備できるだろう。

 

エルムン:「……あり、がとう……うぅ……」


GM:そしてガラドアが持っていたMPポーション×5をどうぞ!


一同:おお! ありがたい!


GM/ガラドア:「エル……ム……ン……」最期にその身が、完全に朽ち果てる前に強く抱きしめて。「愛している──」ガラドアは天に召された。


エルムン:「父さああああああああああん!!」


アンネリカ:黙って祈りを捧げる。


マーセイディズ:「安らかに……」


フォシア:静かに見守る。


エルムン:「絶対に……仇は取るよ!」


GM:朽ちたガラドアの体から優しい光があふれ出る。それがキミたちの身へと宿った。

 さあ最後の戦いが待っている。ガラドアの思いを受け取り全員、HPMPが全回復し、さらにフェイト2点回復だ。既に上限の人はこれで上限を超えてもよいものとする。


アンネリカ:わあ……嬉しくて悲しい。


GM:悲しき再会を果たしたキミたち。しかし、女王のもとにコーネリアは囚われの身。


エルムン:自分の槍を墓標代わりに立てていく。そして形見の槍を装備します。


GM:その武器を装備した時、最期の声が聞こえた。この日はキミの誕生日でもあった──。「誕生日おめでとう、エルムン。大きくなったなあ」そう、声が聞こえて。泡のように、消えた。


エルムン:「っ……!」


マーセイディズ:「……ごめんなさい、もう少しお時間あげたいところですが、コーネリアを助けるのに協力していただけますか?」きっついよー。


フォシア:「報酬金は怪しくなっちゃいましたけど……そんなこと言ってる場合じゃないですよね……。仇、とらないと……!」画面がさっきからぼやけてですね……。どこまで泣かせるんですかお父さん。これは絶対に仇とらねば!


GM:では、各自アイテムを配分しまして、これより最終決戦……クライマックスフェイズへ移行する!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る