第3話 選択。
後悔のない人生なんてないと思う。
何事にも選択肢があり、やるかやらないか。それともその間か。それともその間の間の道か。無数に数がある。その中から後悔しない道を選ぶのはたやすくない。何せ僕らは選んだ道のその先が見えないのだから。
実際、僕は今、後悔している。選択を間違えたのだ。絶賛後悔中だ。そしてどうすればいいのか絶賛航海中でもある。
自分の頭の中で記憶をたどってみる急に
「寂しがり屋なのかい?」と言われる記憶だ。
もちろんそんなものない。
「履修とか小難しいことわかんないからさ、こうして君に助けてもらおうと思ったんだけど、嫌だった?」
僕が言葉を発する前に彼女が二手目を出してきた。そんなの反則だ。将棋やオセロでも順番が大事だろうに。
「大丈夫」
僕だって伊達に人間をやってない。このくらいの
ことは言える。
「よかった!ところで君は寂しがり屋なのかい?」
彼女は僕の目を見てまっすぐにそう言った。
正確には覗き込んできた。というのが正しい表現だろうか。
「その質問なんだけど、初対面の人に聞くのは確実に間違ってると思うんだ。君はたまたま食堂で相席した隣の人に一口をせびったりするのかい?」
僕は目をそらしそう言った。
そして彼女は僕だけに聞こえるように
「君は面白い人だね」
そう呟いた。
と同時にチャイムが鳴った。説明会が開始される。隣にはおかしな女。
僕の大学生活はどうなるっていうんだ。
誰か教えてくれ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます