第7話

 魔力が少量しか溜まらない不出来な少女は杯としての価値が低い自覚から、杯の機能を必要としない役割を必死に探していた。見つけた事を片っ端から行い失敗も有ったが成功する事が嬉しくて、褒められると更に嬉しかった。

 貶される経験は多いが褒められる経験が少ない少女は些細な事で喜び、褒められ続けて少し舞い上がっていた。


 優れた杯を有する魔女主人の下へ帰って来てから、自分と優れた魔女を比較して杯の不出来さを再認識した。

 二人BとEが魔獣作りを行っていると考え、役立たずな杯は心が傷ついた。

 優しい魔女は不出来なでも貶さず仲良く接してくれた。

 魔女に対する嫉妬を自覚した少女は立場を弁えぬ気持ちに嫌悪感を示し、罪悪感から二人BとEと距離を置いた。

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