第7話

 再会した神官の少年なら、父親の行動を問題に出来ると考えた少女は女のの許可を得てから事情を説明して協力を求めた。


 証拠を得る為に父親が女のへ虐待する状況を隠れて確認した少年少女は姿を晒して虐待を止めた。

 神官の上司を同じ案件で再び動かす事は状況が変わらない限り難しいと判断した少年は一人で確認をする予定だったが、見届けると主張する少女少年から危険だ、と止められても強引に同行していた。


 少年に取り押さえられた父親は、守られる女に男の苦しみは分からない、とその場にいる女性を侮辱したが、神官の少年は八つ当たりする父親の弱者を責める価値観を間違いだ、と指摘した。

 感情的な父親と倫理的な少年の主張はかみ合わない。


 父親が主張する、弱い女性が有する常識的な区別に対するを許容する言葉を発した少女はその場に居た全員から驚かれた。


神官を従えて強い男性に弱者を守れと教える女神様が大好きな少女の人物像と一致しない発言に驚き理由を聞いた少年へ、


 女性を守る男性は時に理不尽を強いられ、理不尽に応える役割を男性は有していると考えられているが、理不尽を強いられて傷つく男性は誰が守るのか? と問い、弱った男性を守るのは女神様だと主張した。


 神官を育てる女神様は神官の母親と言い換えられ、女神様は神官を守っている事が常識だと認識する者も居るが、神官に限定されず女神様へ救いを求める男性の言葉は女神様へ届き、神官が受ける命に反映されていると説き、女神様を頼る男性の言葉を聞く耳の女神像は弱り縋る男性の言葉を聞くため彼方此方に置かれていると説明した。

 過去に女神様から神官が受けた命には縋った者の言葉が反映された内容が有り、果たされる保証は無いが言葉は届いていると念を押した。


 説教を終えた少女は、神官に成り女神様へ会わねば存在を実感する事は難しく、直接的な行動が少なく信じ難い気持ちが有れど、女神様は自分へ向けられた言葉を女神像を通して聞き、世の男性を見守っているから、不満が有るなら、弱い女性ではなく男性より強く余裕があり器が大きい女神様へ当たってして欲しいと父親へお願いした。


 女神様は懺悔の言葉も聞いてくれるが答えは返ってこない。

 基本的に女神様は聞く専門で神官を除き直接的なやり取りは無いが神官以外の男性には神官を通して何かしら返って来ることはあり得る。


 女性へ対する行き過ぎた暴力から父親は罪に問われたが、罪や罰の苦しみで女神様を頼って貰える自信が無い少女は頼っていたら良いと思った。

 神官ではない若い少女の説教にどれ程の説得力があるか? 期待は出来ない。


 女神様との直接的な交流がない殆どの男性で女神像を通して女神様が聞いていると実感している者は少なく、父親も実感が無く噂を噂と思い信じていなかったから、女神様を頼らす過ごしてきた。


 ……。


 好きなの前で良い所を見せたい少年は暴力は良くないと女の父親を叱ると逆上され女性へ責任を転換し始めた。

 守るべき弱者を責める行為は間違いで男にあるまじき恥ずべき行為だと責め立てた少年少女から発せられた、父親の愚痴を認める言動は予想外で責めるのを辞めてしまった。

 責める内容に自信が有った少年少女の説教から被害者に留まらず加害者も気遣う事に気付かされ、善悪に拘った事が情けなく思い少女に良くない印象を持たれたと落ち込んだ。


 ……。


色々

 本来は、神官が説教すべき内容を、少女が説教した事から色々と驚かせたが、その場にいた神官と女の父親少女の異常さを周知できなかった。女性が女神様の実態を知っているなど、信じ難い事だから。


 少女父親の女神様を愚弄したと認識できる言動で不機嫌に成り説教を始めたと考えられる。女神様を侮辱するな! 的な……。

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