天使の羽根を踏んづけたら魔法少女になっちゃった

かとんぼ

第1話

私の名前は幸野薄子(さちの うすこ)17歳高校2年生!いつも元気で明るくて可愛くてクラスの人気者なの。今日も男の子からたくさんアプローチされちゃった♪全部断ったけどねテヘペロ☆

そんな私でも悩み事はたーくさんあるの…このあいだの数学のテスト、まるっきり分かんなくて思わず紙ヒコーキにして窓から捨てちゃった!

そしたらね、先生から呼び出しくらっちゃって…でも、涙目でうるうるして胸元ちょこっと(ほんのちょこっとだよ☆)見せたら、鼻の下伸ばしちゃって、「次からは気をつけるんだぞ」って最後まで私の胸元に釘付けだったから、「はーい☆(死ね!)」って答えて職員室から飛び出してきたとこなの!ほんと!エロ教師は女子の敵ね!!!


ん?

地面に何か落ちてるわ?ニワトリの羽根かしら。どうして廊下に落ちてるんだろう…。

「きったなぁい!私鳥って嫌い!誰よ、飼育係。ちゃんと掃除しなさいよ」

グシャッ

私はさっきの担任にむしゃくしゃしてたから羽根を踏みつぶしたわ。すり潰すように、何度も何度も。


すると、足からいきなり光が解き放たれたの!

「キャッ」

その光があまりにも眩しかったから私はとっさに目を閉じた。次の瞬間、


BAGOOOOONNNNNNNNNN!!!!!


爆発した。

校内全域に渡る大規模な爆発だったため、のちにこのニュースは世界全体に行き届いた。

アナウンサーが話す。

「先日、○×県△◽︎市の私立学校で、大規模な爆発があり、警察によりますと死者は数百人に及ぶとされています…」


淡々と読み上げるアナウンサー、映し出される当時の映像。爆発の瞬間をたまたま撮っていた人の動画がピックアップされる。

カッと光った後、大きい爆音とともに学校は粉々になった。


「警視庁は何者かによる爆破事件ではないかと調査を続けております。なお現在、奇跡的に生き残った生徒一人は重傷に追われ、搬送先で入院しているとの事です」


画面が切り替わり病院が映る。

そこには主人公薄子の姿があった。全身を包帯で覆われ左腕はなくなっており、髪の毛は散り散りになっていた。元の美しい薄子の面影は微塵もない。


「ぎゃっはっはっはっはっ!!お化けだ!お化けが映ってるよ、お母さん!」


「駄目でしょひろくん。彼女はひどい目にあった被害者なんだから…

ププッ…笑ったりしたら…


ギャハハハハハ!!!!!!!」


母親は仰け反り出して笑い出した。ひろくんはびっくりして「どうしたの、ママ」と心配そうに駆け寄る。ママはママじゃなくなっていた。口が大きく裂けていて目は赤色に変色していて、爪が350めーとるぐらいのびていてひろくんの全身に爪が刺さった。


ひろくんは死んだ。


「ひ…ひひ…

あれが伝説の魔法少女…。

まっさきに引き裂いてやろう……」


妖魔はママの体の中に何年も潜伏していたのだ!




幸野薄子の日常、美貌、薔薇色の人生は終わりを告げた。その代償に一つだけあるものを授かった。


"魔法少女になって歪んだ世界を救う事”

それが彼女に与えられた試練…。


とうの本人は気づいていないが、これから薄子にとって、長く辛い日々が待ち受けているのであった……。





第1話

〜完

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