業火紅蓮少女ブラフ/Hybrid Bland Blue
枕木悠
プロローグ
プロローグ
自然純粋な水を飲まなくなって原色に栄える加工品ばかり食べてきた私の細い腕から流れる血は一体何色というのが相応しいだろう。
生まれたままの色ではないでしょう。
私はもう、十五年も生きている。
彼女もまた、十五年も生きていて、彼女の細く白い腕から流れる血もまた、生まれたままの、その色ではないでしょうね。
私の血、彼女の血。
その二種類の異なった色の血液を試験管の中で混ぜ合わせたら果たして、どんな色になるのか、私は凄く興味がある。
夢と言っても違ってないわ。
揺らして混ざって、奇跡的な何かが起こるとは思わないけれど。
私はその悦楽的な景色が眼前で展開されることを望んでいる。
そして二人は記念撮影をするの。
きっと素敵な色になった血液を抱えた試験管を間に挟んで。
笑顔で。
そう。
それまでに私は笑顔の練習をしなくてはいけないな。
うまく笑えない日々が続いていたから、お風呂の鏡の前で頬の筋肉をマッサージしながら練習しなくっちゃいけないな。
笑顔は武器である。
それはよぉく知ってる真実なの。
それをいつでも扱えるように、素早く出し入れできるように、ええ、準備しておいた方がいいでしょう。
今、という時の間が、衝突なのだ。
今、という時の間が、過ぎ去ってしまわないうちに私は彼女を傷付けたいから。
虚勢を張るの。
骨まで完全に燃えている。
炎は紅蓮よりももっと、熱くその色は……。
青春に足掻いてもがいて苦しんで悲しみながら染めるよ。
業火紅蓮少女ブラフ。
I'm a Bluff Girl.
ブラフガールシリーズ第二弾『業火紅蓮少女ブラフ/ハイブリッド・ブラン・ブルー』
※こちらは『業火紅蓮少女ブラフ/ブリッジン・フォ・ニュウ』の続編となります。未読の方は先にそちらをお読みくだされば幸いでございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます