恋愛編5、白鳥

増田朋美

第一章

白鳥

第一章

少しづつ、暖かい日が出現するようになって、春も少し来ているかなあと感じられるようになった。こうなると、いろんなところで門出の季節となっていくが、蘭は相変わらず家でパソコンと格闘しているのだった。

幸い、フェイスブックなどのSNSは、さまざまな人のプロフィールを簡単に見ることができた。人を検索する時も、出身大学や住んでいるところなどを絞って探せるので、そこは比較的簡単に見つけることができた。

ただ、蘭の出している検索条件に当てはまるかというと、そうとも限らない。SNSは、すぐに検索結果を表示してくれるのはいいものの、蘭は次々にそこに表示されている女性たちを消去していく。

とにかく蘭が狙っているのは美女であった。単に化粧するから美しいのではなく、言ってみれば小野小町のような、奥ゆかしさのある女性。クレオパトラ7世のような、強烈な印象を与える人物ではなく、そっとだれかに寄り添う能力を持っている、そういう美女。

今回の検索では、そういう女性は一人も現れなかった。

「あーあ、まただめかあ。」

蘭は大きな声でパソコンに向かって、そういい、またため息をつくのだった

「ちょっと、蘭。電話よ。聞こえてないの?今日の午前中のお客さん。ほら、早く出てやりなさいよ。」

アリスが、そういっているのが聞こえる。大体刺青の予約をするお客さんは、蘭のスマートフォンに連絡してくる者が多くて、固定電話にかけてくるものはあまりない。変わったお客さんだな、と、蘭はパソコンの電源を切って、居間に行った。

「もしもし、お電話変わりました。伊能ですが。」

「あ、あの、私、今日の11時に予約をしていた、諸星正美です。」

そうだっけ、確かそういう名前があったなあとおもう。電話の声を聞くと、間違いなく女性である。しかし、よくいるヤンキーといわれる不良っぽい女性でもなさそうだし、極妻と呼ばれるやくざのお姉さんという雰囲気でもなさそうだ。一体なんでこんな人が、刺青を頼みに電話なんかするんだろうか。それも、スマートフォンではなく、固定電話に?

「あ、はい。確かに、メールで施術希望とお問い合わせはいただきましたが、、、。」

「ええ、それでね、お願いなんですけど、今日11時とお願いしたんですが、ちょっと家に用事ができてしまいまして、お昼前には帰らないといけないんです。だから一時間早くそっちへ行ってもいいかしら?」

ずいぶん軽やかなしゃべり方だ。こうなると、極妻ではなく、どこかで特別な教育を受けた女性に間違いはなかった。

「いいですよ。施術は10時から開始してますから、その時に来てくれれば。」

とりあえず、形式的に営業開始時間を言った。

「あ、わかりました。了解です。じゃあ、その時間にお宅へ伺います。車の運転免許をとっていないので、どうしても歩きになりますが、多少遅れてしまうかもしれないですけど、その時はすみません。なるべく、時間に間に合うようにいきますが、うちの近所は道路の渋滞が激しくて、どのくらい時間がかかるか、予想がつかないんです。すいていれば、すぐに来られるんですけどね。道路が混んでいると、何十分もまたされることになって。」

これだけ説明してもらったら、蘭もどこの道路なのか大体予測できた。あの道路はメイン道路なのに横断歩道が整備されていないため、渡ろうと思うと、車の列が途切れるのに、文字通り何十分も待たされる。結構わたっていく人も多くいるのに、市議会は、なぜか横断歩道を作ろうという気にはならないらしい。そういえば、杉ちゃんが、富士市には目安箱というものはないんだなと大笑いしていたこともある。それ位、渡るのに難しい危険な道路で、通る人たちの間では、道路を渡るせいでひどく時間がかかった、という言葉が交わされるのだ。そういう道路だから、蘭も多少の遅刻は許してやることにした。

「いいですよ。まあ、遅くなったら、道路が混んでいたんだなと思うことにします。無理しないで来てください。」

「はい、わかりました。じゃあ、施術していただけるのを楽しみにしていますから。よろしくお願いします。」

と言って、電話はぷつんと切れた。蘭は、受話器を置く前にしばらくぼんやりしてしまう。

「まるで楽器のようだったな。一体あの人、どういう階級なんだろう?」

蘭は思わず考えてしまう。基本的に蘭のもとにやってくるお客さんたちは、一般的に言うと極道が多いとされているが、実はそうでもないことも確かだ。若いうちに学校でのいじめなどで、人間を信じなくなったとか、親から虐待があったとか、そういう悲惨な人生を送ってきたものがやってくることが多い。派手な登り鯉など極道が好むような柄はなかなか頼まれることはなく、日本の伝統的な吉祥文様を依頼されることがほとんどだ。あるいは、観音像などの宗教的なものを頼まれることもある。経済的に言ったら、美容整形ができない貧しい階級であることが多く、大体の者は、縁起のいい柄や神仏を体に入れることで、自分の持っていた深い孤独を癒すために、刺青をお願いする。画像として、それを体に描いていれば、いつでも神様が守ってくれるから、というお願いを口をそろえていう。それは蘭の師匠である彫菊氏がよく口にしている言葉だが、ヨーロッパでは、今でもその目的で彫る人は多いし、そのために平気で見せびらかしてもいいのだ、なんて言っていたっけ。日本では、やくざの象徴とばかり言われているけれど。

でも、彼女の声を聴く限り、蘭は、そのケースには当てはまらないのではないか?と思った。たぶんああいう魅力的なしゃべり方ができる以上、貧しい階級ではなさそうである。もし、そういう階級であれば、発音がもっと汚くなり、音声学的に言ったら、Eの口でAと発音するような、非常に汚い音になるはずである。うーん、これはまた今までにない客がやってくるのではないか、と、蘭は思った。


一方そのころ。製鉄所では、

「じゃあ、行ってきますから、よろしくお願いしますね。一応、お昼を食べて帰ってきますけど、そのあとで二次会が行われることもあるから、遅くなるかも。」

と言って、恵子さんが今までにないおしゃれな着物を着て、玄関先へ出て行った。

「はい、楽しんで行ってきてください。遅くなっても全くかまいませんから、終わりまで行ってきてください。」

由紀子が草履をはいている恵子さんを見送った。

「よし。割烹着も持ったし、準備は完璧。忘れ物もないし、行ってくるわね。」

「いいですね。恵子さん、週に一度の楽しみですものね。」

恵子さんが、鞄を開いて中身を確認するのを見て、由紀子はにこやかに笑った。

「ええ。まったくね。青柳先生はちゃんと留守中に代理をしてくれる人物を探してから行くように、なんて言ってたけど、由紀子ちゃんと杉ちゃんが立候補してくれて本当によかったわ。」

「はい、あたしも役に立てればすぐに駆け付けますよ。幸い、あたしが出るのは平日だけで、土日は駅員の業務には出ないので、こっちへこれて、よかったと思いますし。」

「うれしいこと言ってくれるじゃないの。じゃあ、行ってくるから、よろしくね。」

恵子さんは、嬉しそうに鞄を持って外へ出た。

由紀子が、恵子さんを見送って、四畳半へ戻ってくると、水穂と杉三が何か話していた。

「全くな。恵子さんも、たまにはお外へ出られて、嬉しそうだな。」

「そうだね。」

杉三がそういうのを聞いて、水穂は何となく複雑な気持ちだった。

「まあいいじゃないの。恵子さんが、あそこへ行くのは、本当に楽しみなようだし。最近は、おかいさんばっかりじゃなくて、サラダとか、肉料理まで習っているようだよ。今日は、ハンバーグを習うと言っていたぞ。」

「ハンバーグか。たぶん、食べられないな。」

水穂はちょっと寂しそうにため息をつく。

「もう、恵子さんの楽しみは、お料理を習ってくるだけではなくて、その後で行われる二次会なのよ。介護する人同士で、愚痴を語り合うってのが、何よりも楽しみなのよ。その証拠に、教室は一時で終わりと言っていたのに、四時くらいまで帰ってこないでしょ。」

由紀子は、そういいながら、杉三の隣に座った。

「そうですね。理由は、僕が作ったというのがなんとも、」

そういいつつ、水穂はまた咳き込んでしまうのである。由紀子が、急いで体を横向きにさせその背をなでてやった。

「あのねえ、気にしないでいいんだよ。恵子さんが、うまい飯を習いに行くきっかけを作ったのはお前さんなんだから、自分を責めずに堂々としていればそれでいいのさ。」

杉三がそんなことを言ってくれるが、ここで、恵子さんが習いに行ったものが、うまい飯という、非常に実用的な学問であったことが救いとなった。もし、実生活には役に立たないものを習いに行くようになったら、水穂自身、悪人とされてしまうかもしれなかった。

「そうよ。利用者さんたちも、食事がおいしくなったと言って、喜んでいるんだから、そんなに気にしなくていいのよ。」

由紀子もそういって励ますが、水穂はそうだねという気にはなれなかった。

丁度その時。

「こんにちは。」

と、二人の人物の声がした。本来応対するのは恵子さんの役目だったが、今はその恵子さんは外出してしまった。由紀子はどうしようと思ったが、

「僕が相手をしてくるよ。」

と杉三があっさりと承諾してくれたので、ちょっとほっとしたのであった。杉三がはいよはいよと言って、玄関先に向かっている間、由紀子は、咳の減少した水穂を心配そうに見つめた。


「おーい、変わったお客さんだよ。なんとも、ノロと天童先生がお見えだよ。」

ふいに玄関先からでかい声が聞こえてきて、由紀子はまたびっくりした。確かに、一人の老人と、中年のおばさんが話している声がする。ノロと言えば杉ちゃんがつけたあだ名で、本名は野村勝彦、世界的に有名な邦楽の演奏家だと、由紀子はすでにしっていた。一度会ったこともある。でも、そんな大物がなんでこんな時に、ここを訪れるのだろうと、由紀子は不審に思ってしまうのだった。

「じゃあ、どうぞ上がってくださいませ。恵子さんは、お料理教室に行ってます。だから僕と由紀子さんが代わりに留守番をしているというわけで。恵子さんもたまには、お外へ出ないとね。」

「まあ、いい取り組みじゃないですか。また料理の種類が増えて、皆さんも喜びますよ。」

杉三と天童先生が、そう話しているのが聞こえてきた。

「で、彼は一体どうしているのです?あれから、どうされているのか、気になっていました。」

杉ちゃん、野村先生に、余分なことは言わないでよ、と由紀子は思ったが、

「ああ、それがねえ。どういえばいいんだかね。とにかく見ればわかる。」

と、聞こえてきたので、ある意味ほっとした。

「由紀子さん、悪いのですが、羽織とって。」

ふいにそういう声がして由紀子はハッとする。そうか、男性が着流しでいるのは、こういう時には失礼に当たるんだ。でも、こんな時にわざわざ着なくてもいいのではないかな、と思った。

「浴衣のままではいけないから。」

「無理しなくてもいいのではないの?」

そういったが、水穂さんの几帳面さはここでも発揮されるらしい。由紀子は、枕元に置いてあった、黒色の羽織をとってやった。水穂は咳き込みながらも何とかして布団に座り、羽織を着た。丁度その時、ふすまが開いて、天童あさ子先生と、ノロの顔が見えた。水穂は、急いで座礼した。そんなことしなくていいと言いたかった由紀子も、仕方なく座礼した。

「横になったままでもよかったのに。体が大変なら、無理しなくていいわよ。」

天童先生は、そっと布団の横に座る。

「あ、あ、ごめんなさい。こんな失礼な格好で、、、。」

「謝らなくてもいいですよ。しかしながら、ずいぶんやせてしまいましたね、水穂さん。それに、相変わらず、無理をして強気を演じている生活が続いていますな。それは、ご自身にとってはいいのかもしれませんが、隣の由紀子さんにとっては、ずいぶんつらい思いをさせていることをお忘れなく。」

ノロが、援護するようにそう言ってくれたのが、よかったのかもしれない。

「遅くなってしまったけど、明けましておめでとう。これ、もし体調良かったら飲んでみて。お年賀として持ってきたの。」

そういって、天童先生は持ってきた箱をパカンと開けた。いくつかティーバックが入っていたが、リンゴみたいな甘い香りが充満した。

「あ、カミツレか。この甘ったるい匂いが特徴的だな。」

遅れて入ってきた杉三がそう解説した。確か、由紀子も子供のころに読んだ、古い文献に登場していたような気がする。

「そうそう、腹をこわした時に使うんだよね。ほら、ピーターラビットが野菜を食べすぎて腹をこわした時に、母ちゃんが無理やり飲ませた薬草。」

なるほど、と、いうことは、やっぱり当たっていたか。

「もう杉ちゃん、カミツレなんて大昔のいい方よ。今はどこの花屋さんでもカモミールというでしょう。」

「あ、すまんすまん。もう、最近のカタカナ言葉は、わけが分からなくて、もう覚えられないのよ。」

天童先生の訂正に、杉三は頭を掻いてごまかした。

「でも、どうしたんです?何かわけがあって、こちらにいらしたんですか?」

水穂は思わずノロにそう聞いた。

「はい、それがですね、こっちに来ると、あの広上という指揮者に付きまとわれて、もうたまらないのですよ。ですから、すぐにホテルには戻らないで、こちらへ寄ってから帰ろうと思いまして。」

つまり、隠れさせてということである。

「また?なんでそんなにしつこいんですか?」

「ええ、それがですね。ほら、昨年こちらでオーケストラと箏の協奏曲をやらせてもらいましたねえ。わたくしは、もう一度演奏したら撤退しようかと思っていたのですが、なんとも、会場のお客様からのアンケートによりますと、ぜひ続編をという声が多数寄せられたということで。」

「へえ、箏協奏曲第二番をやってくれということですか。」

この発言には、水穂も杉三もびっくりした。

「結構、和楽器も受け入れられてきたということですか。これからはまた、音楽も変わってくるかもしれませんね。もしかしたら、邦楽も洋楽も区別がつかなくなってくるのかもしれない。」

「わたくしは、反対だったんですよ。そのようなものが広まってしまったら、また古典箏曲の価値が落ちてしまうかもしれないですからね。しかし、広上さんときたら、また第二番を書いてもらうことはできるから、ぜひ演奏してもらえないか、と言い出しまして。わたくしは一度断りましたけど、また納得してくれるまで引き下がらないと言い出しまして、わたくしの行動範囲まで調べてしまって。」

「もうね。野村先生が、あたしたちの治療院に通っているところまで突き止めてきて。前回の施術の時は、さあ終わったから帰ろうか、なんて玄関先で話していたら、いきなりドアの外で待ち構えたりしているんだから。あの時は、野村先生もあたしも、びっくりしたわよ。」

ノロの発言に天童先生がそう付け加えたところを見ると、広上さんは、結構しつこくノロにお願いをしているのだろう。

「まあそうですね。広上さんも、本当に困りますよね。一度決めると、何でも実現すると思い込んでいるから、何でもそうやって実行しちゃうんですよ。あの人、とんとん拍子に進みすぎて、有名になってしまったから、誰かに断られるということを、あまり知らないんしょうね。」

水穂は、広上さんが、ノロに箏協奏曲第二番をやってもらいないでしょうか!と、手をついて懇願しているのを想像して、軽く笑った。

「たぶん、経験不足だと思います。広上さんは。なんでもそうだけど、人間、歴史から学ぶことなど絶対にできませんから。」

「今頃、タクト振りながら、くしゃみしているんじゃないかな。」

水穂がそういうと、杉三もからかい半分でそういった。

「なんでも思い通りに行っちゃうと思っている、偉い人は本当に困りますねえ。全く、だからネロとかカラカラみたいなバカな奴らがでちゃうのよ。」

「古代だけじゃないわよ。そういう人は、いつでもどこでもいるじゃないの。今だって、中東のほうには結構いるのでは?」

杉三の発言に由紀子はそう同調した。

「お二方は、歴史に詳しいところが、今時の人にはなかなか見られないところですな。二人で知識をもとに子ども向けの絵本でも出版したら、面白くなるのではないですか?」

ノロは、二人の発言を聞いて、そう笑ったが、できれば、本の執筆をするのなら、杉三ではなく水穂さんと、共同作業をしたいなと思ってしまう由紀子だった。

丁度その時、冷たい北風がピーっと吹いてくる。

「あら、いやだわあ。今日は暖かい天気になるはずだと、天気予報では言っていたのに、また風が吹いてきた。」

天童先生は、嫌そうにそういった。

「あ、この辺りは標高が高いですからね。お天気が比較的変わりやすいし、天気予報はあまりあてにならないことが多いんです。平地では暖かいと言われても、こちらではすぐに寒くなります。」

水穂がそういうと、

「ああ、確かに山の天気は変わりやすいというのは、よく知られておりますな。」

ノロもそう言った。できれば、天気がかわってほしくないなと思ったのは、由紀子だけだろうか。

「じゃあ、皆さん寒くなるから、お茶を飲みましょうか。恵子さんがいらっしゃらないようだから、あたしが代理でお茶を淹れるわ。えーと、お茶を淹れる電気ポットはどこにあるの?」

天童先生が、そういうと、

「おう、台所にあるよ。お茶の葉が切れているかもしれないから、カミツレ茶を飲んでみようぜ。」

と、杉三があっさりと答える。

「カミツレじゃなくて、カモミールよ。杉ちゃん。ちゃんと、名前を覚えないと、時代遅れと言って、バカにされちゃうこともあるから、気を付けないと。」

天童先生は、しっかりと訂正して、箱に入っているティーバックを一つ出した。

「もう、本当にカタカナ語は苦手なんだよ。カミツレっていう古い言葉があるんだから、それでいいにしてくれない?」

「それじゃあだめ。しっかり覚える癖をつけて。まだ、そんな年寄りじゃないんだから。でないと頭が古いとみられちゃうわよ。」

「はいすみませんね。台所はこっちだ。」

杉三と天童先生は、お茶を淹れるために台所にいった。

この時は、ノロも、そして水穂さんも笑っていた。いつまでもこんな時が続いてくれればいいのになと、由紀子は思わずにはいられなかった。

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