人の恋しき 5
「今度ッ、8月22、23日、空いてる? ってか、泊まりになんだけど、行ける? 花火! 他にはなんもないトコだけど、お祭りがあるって、姉貴がッ」
「…………」
意味不明だ。
「無理? 今度はちゃんと、お前の予定確認してからにしようと思って。でも急がないと、行けなくなった人達の代わりに、他の人誘うって姉貴言ってんし」
どっちにしても、弘人の言葉は意味不明のままだ。だが、焦れた様子の弘人は、目の前でバタバタと足を踏み鳴らしている。
「取りあえず今は、8月22、23日が空いてるかを答えたらいいワケ? 泊まりがけで出かけられるかって?」
「そうそう」
ブンブンと首を何度も縦に振る。
「いいぜ。大丈夫」
「やった!」
急いで弘人はスマホを押すと、「姉貴? 俺と祐志、行けるからッ」と勢いよく言った。
「まだ誰も誘ってないよな?」
確認する弘人は、何度も「な? な? いやマジで!」とスマホに向かって叫んでいる。
どうやら、自分が揶揄われているとは気付いていないようだ。
「仲いいな」
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