忍ぶれど 2
「ま、一緒に行く奴がどーしてもいない時だけ、メールくれ」
「えー! キレイなのにぃー」
「いくらキレイでも、気分が悪くなるなら一緒だろ」
「……じゃあ。俺に一緒に行く奴がいなかったら、付き合ってくれんのかよ?」
拗ねたように弘人が確認する。それにニヤリと笑って、相沢はポンッと軽く弘人の肩を叩いた。
「おー、いいぜ。1っ人もいなかったらな」
さみしぃー、と呟きながら、相沢はヒラヒラと手を振って教室から出て行った。
それを見送った弘人が、肩を竦めて周りの奴等を見回す。
「じゃあ、行ける奴は現地集合ってコトで。メールくれな」
やっと話を終えてこちらへと歩いて来た弘人は、俺にニッコリと笑いかけた。
「しゃーねぇな、祐志。取りあえず2人で行くか」
「俺は行くの決定なのかよ」
眉間にしわを寄せて言うと、弘人はさも心外そうに声をあげた。
「当たり前じゃん!」
「相沢はどーすんだよ」
「だって、人込み苦手って言ってんだもん。しょーがないじゃん」
残念だけどさ、と言う弘人を置いて、先に歩き出す。
「俺が『行かない』って言ったら、付き合ってくれんだろ」
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