もろともに 6

「1人で行って来いよ。俺、ここで待ってるから」


「いいけど。俺のしか持ってこないぜ」


「げーッ、反則! んで、歩き難ッ」


 クスクスと笑う祐志は、それでも手を離さない。


 段差に突っ掛かった俺に、腕を掴む手には更に力が込められた。手さえ放してくれればコケないんだけど、という言葉は取りあえず呑み込んでおく。


 ……だって。しょーがないじゃん。


 なんだかそれは、とても居心地のいい空間だったんだから……。






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