頭に転がる短いお話の拾い集め

第1話

ある日、歩いていると、若者に肩をぶつけられた。そのまま何も言わずに走り去っていった彼を見て、

「これだから今時の若い奴らは…」

と呟いた。こんな奴らの、こんな奴らの未来のために、自分が身を削って働いているのかと思うと、今しがたぶつかってきた若者を1発ぶん殴ってやりたい衝動に駆られた。

が、そんなことしたもんなら自らの人生に関わる。仕方がないので、Twitterにそのことを呟いた。

そのツイートはバズり、数千個ほど、いいね、RTがついた。

ある日、歩いていると、カバンの中身をぶちまけてしまった。すると周りの若者数人が、即座に拾ってくれた。

その若者達を見ながら、彼らの未来のためにも頑張ろうと思い、そのことをTwitterに呟いた。ツイートはバズることはなく、16個ほどのいいねと、10も満たないRTがついた程度だった。