第20話



この辺に

見覚えがあるのかないのか。



ルーナは

あたりを見回していたが


ある一方を指差した。



「あれ!水車小屋!」



直視している

ルーナを

地面に下ろしてやると


『水車小屋』へ

一目散に駆け出した。



周囲を警戒するが

人っ子一人

見つからない。




正直な話


ルーナが

この地へ戻るのは

分かりきっている事だ。



オレが

軍を率いているなら


ルーナの

生死が確定するまで


この村に

兵士を常駐させておくだろう。




その

兵士すら

気配がない。



試しに

掛けてみた

探索サーチ魔法は



この村から外へ

外からこの村へ


光や音

声や臭いだけでなく

生物のすべてが


そして

あらゆる魔法からも



『遮断』されていることを

教えてくれた。




今の

生まれ故郷は


ルーナにとって

『安全地帯』だった。




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