Peace by Death~死を持ち、生を守る~
男二九 利九男
プロローグ 死を超えし者
―――燃え盛る炎の中、一人の
それでも尚、法師は歌い続ける。何事もなかったかのように・・・。彼は、恐らく抗っている。何に?それは、分からない。
『
“祇園精舎の鐘の音、それは輪廻を意味する。”
『
“どんなものも、沙羅双樹のように散っていく。”
『
“力持つ人間も、何時かは夢のように散っていく。”
『
“結局、風に吹かれる塵の様に全ては無意味に終わる。されどーーー。”
ーーー命は、
何故か俺の頭の中でその言葉が響いた。(誰だ・・・?)俺は、トラックに
『・・・死を・・・超え・・・よ・・・。』
そんな状況なのに痛みは全く感じない。いや、こんな状況だからだろうか?(俺、死ぬのかな・・・?)という、最近の小説のようなありきたりな言葉が浮かんだ。小説ならば、転生するだろうが現実なので有り得ないだろうな。視界も霧がかかった様に
『貴・・・様・・・に・・・生を・・・。』
(うるさいな・・・。)この声は、神様なのだろうか?神様も暇なものだ・・・。こんな、やる気のないニートを助けてくれるのだからな。でも、すみませんね。神様。俺は、もう生きる気力さえないんだよ。・・・て言っても、只の幻聴だろうから返事は返ってこないだろうけど。あーあ・・・、ちゃんと勉強しておけば良かったな・・・。そうしたら、良い会社に務めて良い女と結婚して良い人生を送れたかもしれないのにな・・・。
『ならば・・・与えよ・・・う・・・。』
(やっぱりな・・・。そりゃそうだよな・・・。)ん?今、何て?“ならば、与えよう”って・・・。何を与えるんだ?まさか、本当に神様?脳に直接って奴なのか?・・・・返事がないな。やっぱり、気のせいか・・・。ていうか、死ぬ間際ってこんなに物思いに
『繰り返す力をーーー。』
Peace by Death~死を持ち、生を守る~ 男二九 利九男 @onikurikuo
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