掃除のあと(第十七回 お題「年の瀬」)
大掃除の時期になると、ゴミに憑いていた「なにか」や掃除で追い祓われた「なにか」が、行き場を失ってたくさん路上をさまよっている。
この先どうしようかと、道の連なるままにふらふらと歩いていた「なにか」は、遠くのブロック塀の合間から小さな手がおいでおいでをするのを見た。
それが同類のものなのは気配で分かる。大急ぎで走り寄った。
慌ただしい師走の空気のなか、住宅街の中にぽつりと建つ小さな祠の敷地内だけはのんびりしていて、居所を失くした「なにか」たちがお茶を飲み飲みくつろいている。
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