うちの魔道士がありえない超強力魔法をぶっ放せる件
短時間だけ騒ぎがいくらか抑え気味になって――といってもじゅうぶんに非常事態レベルに騒然としていたが――すぐに女も男も入り混じった悲鳴が通りを埋めつくし、遠のいていく。
これ以上まだなにか起こるのかと痛みをこらえ首を傾ける。目を見ひらいて俺は固まった。
「爆心地」がさっきの隆起とはちょうど逆の形にめこっとへこんでいる。バス一台ぶんぐらいの直径はあるデカさだ。
だがそれに目を奪われたのはそう長くなかった。グラウンドゼロの真上から今まさに降り注ぐものが見えてそれどころじゃない。
大量の土砂。
今の爆裂で上空へ吹き飛んだものがいっぺんに降下してくる。普通の、全方位に爆散するんじゃなく、道の土くれを上方へのみ吹き上げたのか。あんなものが四散してたらほかの集まってきた奴は無事じゃすまないし、一番近くにいた俺は土の塊にぶち当たってゲームオーバーだった。
いや、まだ難を逃れたわけじゃあねえからっ。
小さな商店一軒ぶんぐらいはある膨大な土砂が雨あられと降り注げば当然、その衝撃は――
再び、地響きが起こる。
ドドドドドドとの洪水のような音を連れだって、濁流のごとき土煙が恐ろしい速度で迫りくる。むりむりむりむりっ! 体、動かね――
土のストームに飲み込まれると同時に俺の意識はホワイトアウト、いや、ブラウンアウトとでも言うべきだろうか、一瞬で消失した。
あとのことはもう、なにもわからなかった。
うちの魔道士(魔法少女のレイヤー)が、レベル十じゃありえない超強力魔法をぶっ放せる件について。
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