あのローグライクゲームで店を見つけると、所持品を全部売りつけたうえで、もともとの店の商品ごと根こそぎ強奪してしまわずにはいられない奴
女たちが悲鳴をあげ、男連中はざわついた。くそっ、見んなっ、その薄緑色の
舌なめずりのオーキンにソアラが悲痛な叫び声をあげる――かに見えたが、意外に冷静な面持ちをくずすことなく、すばやく言葉をつむぐ。
「愛と美を司る女神よ、かの者を魅了し惑わせ。
ソアラの全身が淡く薄紅色の光を放つ。あれはたしか混乱とか誘惑系の魔法。
魔法の入門書で見かけて、HP吸収系とか敵をアイテムに変える系とかの一粒でニ度おいしいやつが大好きな俺は、これだ、と思ったものの、レベル一で覚えられるはずもなく。仮に使えたとしても、成功率は相手とのレベルの差に影響されると書いてあり意味なしだったやつ。
ソアラと奴のレベル差は六。詠唱者と対象の性別でも成功率は左右されるが(女→男が一番高い。わかりやすいなおい)、あれだけ差がひらいてると効かないんじゃあ。
「へへ、そんなものが通用すると思ったのかよ」
オーキンはまったく動じない。勇者の使徒でなければソアラのレベルは見られないはずだが、圧倒的な力量差から見抜いてるのか。
「んなもん唱えなくたって、このデカメロンにメロメロよおっ!」
俺とおんなじような例えかたをしててなんともいえない気分になるが、そんな悠長なことを言ってられない。
オーキンがソアラの服に手をかけ無残に引き裂――
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