俺の知ってる異世界系主人公「暗黒竜?午後のお茶の時間に遅れちゃうから悪いけど」ザシュッ! 俺「ひいぃ大鼠(Lv2)があぁ!」だだだだ ――なんだこの待遇の差は
義憤にかられて――くるりと百八十度まわれ右をした。うん、帰ろう。
いやだって普通に勝てるわけないし。俺レベル一、あちらさん六とか八。俺ひとり、あっち六から八人。俺、全パラメーター一、連中、最低でも六とか八。
「やめてえぇー、あぁーん!」
神の野郎がさ、俺にチート能力を与えとけばさ、
『えっ、まさか今の、本気の攻撃だったりします? 僕は、
みたくいい感じのウザキャラを演じられて、さくっとひとひねりできたのに。
「痛ぁいっ、嫌ぁー!」
セオリーどおり、バカみたいに定番の、アホみたいにテンプレの最強能力を授けとけば、あんなの普通にザコキャラで、夢詰め込めそうなほど頭空っぽに俺TUEEEEして瞬殺、今ごろ女の子にキャーキャー言われてるのに。
「きゃあーっ、誰かーっ、誰かあぁー!」
あーあ、異世界転生のお約束を――
「そこのお兄さーん!」
「あっ、待ちやがれ!」
クソ神がちゃんと守らないから――
「お兄さん、助けてっ!」
女の子が毒牙に――えっ?
「おいてめえっ」
ええっ?
そそくさと宿屋に戻ろうとする俺の前にまわり込む女の子。
振り向けば立ちはだかる怖いお兄さんがた(というかおっさんぐらい)。
危険を報せる【
えええっ!? なにこの状況。
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