比較をするなら対応分析!

各エピソードの特徴を見抜く分析、の続きです。


1.外部変数を用いた共起ネットワーク図

2.対応分析で外部変数を用いる

の2種類の方法があり、


前回は、

1.外部変数を用いた共起ネットワーク図

の分析をしました。


なので今回は、

2.対応分析で外部変数を用いる

で調べてみます。



「抽出語」→「対応分析」をクリックします。

この対応分析は、比較を行う際によく使用します。

そのことを是非覚えておいてください。


さて、「対応分析」をクリックしたら、

対応分析のオプションのウィンドウが開きます。



左側は、

「抽出語」→「共起ネットワーク図」

の時とすごく似ていますよね。


もしかしたら、その時の設定が保存されているかもしれません。

どうやら設定を共有するように出来ているみたいです。

とても便利ですね。


一応集計単位が「文」か「段落」になっていることを確認しておきましょう。



右側をいじらなくていいのも、

「抽出語」→「共起ネットワーク図」

の時と一緒です。


ただし右上の

「抽出語×外部変数」

というところにチェックを入れて、

さらにリストから

「エピソード」を選択します。

(繰り返しになりますが「エピソード」以外の名前でエクセルファイルに記入していた場合は、その名前をクリックします)


その設定が終わったら、あとは初期設定のままで大丈夫です。

[OK]を押して、分析の処理を始めましょう。



処理が終わると、新しいウィンドウで表が表示されます。

赤字でエピソードが、黒字で抽出語が書かれています。


まず注目するのは、表の原点(0,0)の地点を示すために描かれた、点線です。

これで原点がどこにあるか確認します。


この図では、

原点の近くにある=どのエピソードにも登場していた

原点から遠い=特定のエピソードに登場していた

という傾向を見ることができます。


さらに、表の中の語とエピソードの位置関係を見ることで、

どのエピソードにどんな語が特徴的に登場していたのか、調べられます。


たとえば、

「聞く」という語の近くに「0005」というエピソードがあったとします。

その場合、

第5話で「聞く」という語がよく使われていた、

ということが推察できるのです。



そして、より深く見ていくと、

「聞く」という語を全然使わなかったエピソードは、「聞く」の点よりかなり離れた位置に存在しているはずです。



つまり対応分析を見ることで、

「使う傾向にあった」だけではなく

「使わない傾向にあった」ということまで、わかってくるのです!



今回は「エピソード」で比較しましたが、

複数の作品・作者を比較することだって可能です。

むしろ、そっちの分析の方がよく使うと言ってもいいくらいです。


今回この対応分析をマニュアルに組み込んだのも、



複数の作品のデータを入れたエクセルファイルを作り、

あとは同じような手順で、

今度は「エピソード」ではなく「作者名」や「作品名」で調べるだけです。


すると、

「自分はAという語を使う傾向がある」

「あの人はBという語をよく使う」

ということが見えてきます。


そして深掘りすれば、

「あの人はCという語をよく使うけど、自分は全然使っていない」

ということまで見えてきます。


これは感動的ではありませんか!?


この対応分析を活用することで、

憧れの人の文章と自分の文章を比較し、

より憧れの文章に近づけることだってできちゃうんです!



私の場合は、友人数人の文章と比較してみました。

そして友人がよく使っている語から「これいいじゃん」って思ったものを、

自分の小説に輸入する、ということをしています。


対応分析は、

「今まで使っていなかったけれども、魅力的な言葉」

を発見するのにとても役立つのです。


ちなみに、表の中の語をクリックすると、

KWICコンコーダンスの画面が表示されます。

そこから実際にその語がどのように使用されていたか確認できます。


共起ネットワーク図と同様に、画像の保存も可能です。



語彙力を気にされる方は結構いることでしょう。

そんな方は、この方法で語彙を増やしていくと、

楽しくてなおかつ効果的だと思いますよ。

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