居場所
@happyapple
昼休み
お弁当の匂いが嫌いだった。
昼になると一斉に放ついろんなご飯の匂い。周りの声と匂いとが混ざってできる私の大っ嫌いな時間。叫び声が頭に響き、生徒がぶつかった机はずれて筆箱が落ちる。
思わず教室を飛び出しても木霊する声とかすかにする誰かのお弁当の匂い。静かな場所を求めようとしても居場所なんてなくて仕方無しに紙パックのジュースを買って教室に戻れば椅子と机はバラバラにどこかに行ってしまった。
筆箱は拾われていたけど消しゴムは拾われないままだった。
私の席が私の領土なら今のあの消しゴムは唯一私のテリトリーを示す言わば沖ノ鳥島みたいな感じだな、と授業で習った言葉を使い、ジュースを片手にまたブラブラと歩き残り10分を過ごすことにした。
居場所 @happyapple
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。居場所の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます