第81回:テーマ『救』
タイトル:私は性格が悪い
長子に生まれたからだろうか、私は本当に話すよりは聞く側の人間だ。
今日も今日とて、こうしてカフェで友人の話を聞く。
休みの日は大抵誰かの悩みを聞いたり愚痴を聞いたりする。そして私はそれらの話を聞いたあとでさらりと、相手の機嫌を損ねないような反応や意見を言うのだ。
「本当に救われた」
そう言ってくれる友人。今日は彼女の破局話を黙って聞いていて、気が付いたら泣かれてた。私は聞いてただけなのに。
カウンターに並んで座ってたのでそっと私は横の彼女の肩に手をやる。もっと泣かれる。
(あんたの浮気が原因だよ、って言えたら、どんなに楽なんだろうか)
救われてるのは、私の方だよ。
私はぼそりと、呟いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます