第70回:テーマ『服』
タイトル:場違い間違い勘違い
ほらあの子だよ、図書館に来ちゃってさ、ここらでいちばん頭の悪い高校の。
ほらあの子だよ、いちばん成績いいくせにマックで勉強してるの見せつけてんじゃねーよ。
どうやら、私の居場所はこの世界にないらしい。
「で、私の部屋に来ると」
幼馴染みはさらに続けて呟いた。
「私と同じ制服着たらよかったのに」
「今のが近いし制服が可愛いんだもん」
「同じ高校だったらよかったのに」
あの春に同じ制服が着たかったと泣いてたのを思い出す。
「うちはお金ないから私立にはいけません」
「あっそ」
「次は同じ定期券買おうね」
「受かりなさいよ」
「そちらこそ」
二人で同じ過去問と参考書に向かう。
私はこのセーラー服に袖を通す残りの回数を数えた。
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