バリヤー

シールドは四角く透明でぱっと見では視認できない。しかし効果はてきめんで、氷鉱夫の攻撃は近づくことができてもアイシーアイには届かない。


俺は推進力で加速していけばバリヤーをわれるかもしれない、そう考えた。しかしシールドにてこずればそのままアイシーアイの射撃の的だ。そうこうしているうちに氷鉱夫の消耗ははげしくなっていく。



「とりあえずシールドをどうにかしよう!ミルノルダ、目の前のやつ一枚割るぞ!」


「バリヤーの強度がわからない事には本体にも勝てないですしね…」


俺はミルとツルハシを顔の前に盾のようにもち、姿勢を低くしながら突進する。そして走りながら推進力の鉱技を発動。ツルハシから何か吹き出すように前に進む。その力を走力と合わせて俺はぐんと加速した。


周りが線のように見えるほど早くなった頃目の前にバリヤが現れる。そのまま砲弾の如くツルハシで攻撃するとガラスの割れるような音を立てシールドは取り除かれる。


破片はキラキラ空中にまった。そしてそれの下を潜るように俺の後に続いたミルがアイシーアイに接近する。


「初お披露目です…フルバースト!!」


ミルの攻撃はどん、という音を立てて相手に直撃する。そしてアイシーアイは後ろでバリヤーを貼る相手まで吹き飛ぶ。ミルの衝撃は相手のみではなく轟音と共に氷壁にひびを入れた。


「体力は⁈ミル!」


「あと20発以上行けますよ!」



ミルは力こぶをつくるポーズをしてアピールする。何をやったか知らないがミルは以前2発で体力がもたなくなる技以上に強く、長持ちする技を身につけたらしい。


「マインもなんですそれ?早い!」


「俺だって強くなってんだよ!次いくぞ!」


俺とミルが相手を始めて攻撃を当てたとあって他の氷鉱夫も雄叫びとともに突撃をはじめた。


そして同じくルーキーのノルダも桁違いの技を発動し始める。



ミルと俺が次のシールドをわろうとアイシーアイに近づくと誰も触れていないアイシーアイがノックバックする。立ち上がろうとアイシーアイが動こうとするとその体にシールドの向こうで再びカマキリの刃のようなもにあたる。


後ろを振り返るとノルダが光るツルハシをふっていた。


「僕にガードは意味ないぞ!見てるのはターゲットだけさ!」


ノルダはドヤ顔にふさわしい技で次々とバリヤーをすり抜ける攻撃を飛ばしてゆく。


 全くこの2人は何をやったのか見当もつかない。しかし俺たちの思いは共通だ。相手を退けこの国の平和を守るのた。  


おそらくこの相手に流氷はいない。サポートアイテムが投入されないうちに押し返してしまうべく氷鉱夫は相手を削る。


 とはいえバリヤーは氷鉱夫の攻撃を防いでしまい、相手が有利なのは変わらない。そう考えバリヤーを出す相手を俺とミルで狙うことにした。


「2人とも怪我しないようにね!」


「わかった!ここ任せたぞノルダ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る