蝋梅
居間の窓からよく見えるところへ
小さな苗木が一本植わっている
寒そうに
ひもじそうに
母が嬉しそうに言った
前々から好きだった
やっと庭に植えたのだと
こんなに長い間親と子であったのに
私は母の好きな花を知らなかった
知ろうともしていなかった
知ることができなくなる前に
知ってよかった
本当によかった
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