ちいさなおしり

自転車はとてもよわいもの

ちょっと車にぶつかろうものなら

三途の川の向こうまで

ふっとばされてしまうもの


そんな危なっかしい乗り物の

子ども用シートに

わたしのいのちよりもずっと大事な

小さなおしりがのっている


不格好なヘルメットをかぶり

これから出かける先を楽しみに

脚をばたばた

柔らかい手で小さなハンドルを掴んで

楽しいことを考えているようす


わたしはおかあさんなので

いつもいつも祈ってるんだよ


いつでも守ってくれるという

あなたの揺るがぬ信頼を


裏切らなければならないことが

決して起こりませんように

ってね!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る