猫の婿取り

@inri

第1話

猫の婿取り



むかしむかし、あるところに、猫の長者が住んでいました。猫の長者には、とても美しい一人娘がいて、婿を探していました。猫の長者は、世界最強の婿が欲しいと思い、犬に婿入りしてくれるようお願いしました。


猫「やあ、犬さん。私の家には、娘がいるんですが、婿に来てくれませんか。世界一美しい娘と、世界一強いあなたなら、似合いの夫婦になると思うんですが。」

犬「ありがたい話ですが、それはお受けできません。なぜなら、私は世界一強い生き物ではないからです。熊さんにお願いしたらどうですか、熊さんはとても強いですよ。」

長者の猫は、犬に言われた通り、熊に婿入りをお願いすることにしました。


猫「やあ、熊さん。私の家には、娘がいるんですが、婿に来てくれませんか。世界一美しい娘と、世界一強いあなたなら、似合いの夫婦になると思うんですが。」

熊「ありがたい話ですが、それはお受けできません。なぜなら、私は世界一強い生き物ではないからです。ティラノサウルスさんにお願いしたらどうですか、ティラノサウルスさんはとても強いですよ。」

長者の猫は、熊に言われた通り、ティラノサウルスに婿入りをお願いすることにしました。


猫「やあ、ティラノサウルスさん。私の家には、娘がいるんですが、婿に来てくれませんか。世界一美しい娘と、世界一強いあなたなら、似合いの夫婦になると思うんですが。」

ティラノサウルス「ありがたい話ですが、それはお受けできません。なぜなら、私は世界一強い生き物ではないからです。ゴジラさんにお願いしたらどうですか、ゴジラさんはとても強いですよ。」

長者の猫は、ティラノサウルス言われた通り、ゴジラに婿入りをお願いすることにしました。


猫「やあ、ゴジラさん。私の家には、娘がいるんですが、婿に来てくれませんか。世界一美しい娘と、世界一強いあなたなら、似合いの夫婦になると思うんですが。」

ゴジラ「ありがたい話ですが、それはお受けできません。なぜなら、私は世界一強い生き物ではないからです。人間にお願いしたらどうですか、人間はとても強いですよ。」

長者の猫は、言われた通り、人間に婿入りをお願いすることにしました。


猫「やあ、人間さん。私の家には、娘がいるんですが、婿に来てくれませんか。世界一美しい娘と、世界一強いあなたなら、似合いの夫婦になると思うんですが。」

人間「ありがたい話ですが、それはお受けできません。なぜなら、私は世界一強い生き物ではないからです。エボラウィルスにお願いしたらどうですか、エボラウィルスはとても強いですよ。」

長者の猫は、人間に言われた通りエボラウィルスに婿入りをお願いすることにしました。


猫「やあ、エボラウィルスさん。私の家には娘がいるんですが、婿に来てくれませんか。世界一美しい娘と、世界一強いあなたなら、似合いの夫婦になると思うんですが。」

しかし、エボラウィルスの姿は見えず、返事も聞こえません。そこで猫の長者は、そのまま家に帰ることにしました。


猫の長者は家に帰り、世界最強の婿を迎えようと思ったものの、エボラウィルスに会えなかったことを家族に報告しました。

1週間後、猫の長者家族は全員、全身から出血して死にました。長者猫の一家は、エボラウィルスに感染して死亡し、感染したエボラウィルスも猫の死亡に伴って死亡したということです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

猫の婿取り @inri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ