彼方へ消えたい私の話


衝動をどうにもこうにも、抑えきれないまま

明日がずっと続く

そんなバイアスに目を閉じる

暗闇は不完全だ まぶたはきれいには塞がらないから


目をくり抜いても、耳を削いでも 

鼻を剥いでも、舌を抜いても

まだ この皮膚が 光と熱を感じてしまうから

他の誰かを知ってしまうから 

遠く寒い暗闇に、融けて消えてしまいたい


僕の頭を潰してしまえたら

例え心がそこになくたって

心に気づくことはなくなるだろうか


胸を掻きむしるのは、心がそこにあるからだと教えられたからかもしれない

心をえぐり出して、宇宙のどこかへ放り出すために



流れ星がただのゴミだと知っていて 願う心を

夢をみたいって 夢物語を欲しがる心を

誰かに 見つけてもらえる 希望を

捨て去れない僕など 彼方へ消えてしまいたいのに


ここに居たいと叫ぶ軋みを、塞いだはずの耳が聞いた

がらんどうの眼底に、貴方の言葉が閃いた

熱い空気が 鼻孔に満ちて

乾いた舌の根が 甘い色をすくい取る

消えたいはずの全身が 愛を求めて戦慄している

未だここで 人の間に立っていて


彼方は何処か 僕に見えるか

僕はここだ 貴方にわかるか









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