第7話 浮遊
「レディ! あのすっごいイケメンが白鳥様? レディの最強パトロン?」
レディが斗真の送り出しを終えてスタッフルームで着替えていると、エントランスで一目斗真を見たらしい蘭が早速抱きついてきた。
斗真はヘルプを一人もつけさせなかったのにも関わらず、たくさんのシャンパンを注文し、ラストオーダーは、今晩のお礼ということでクリュッグロゼをレディにプレゼントした。
会計はカード、ボーイに渡す時チラリとレディは見て、色が黒いことにある種納得していた。斗真はレディのささやかな予想を裏切らない。
最後にボトルと記念撮影をしてから送り出した。無論着替えたらすぐに会うので、送り出しは形だけだったが。
「不本意ながらね」
蘭に向かって吐き捨てるように言いつつも正直ありがたかった。今日くらいのアルコールなら、先日のようにいきなり吐いたりはしない。
ただ少しだけ自分の頬が熱くなっているような気がした。高々あの量で酔ってしまったのだろうか。レディは首を傾げながらドレスを脱ぐ。
首回りの大きなアイボリーのタートルネックと、ミニ丈の赤いスカートを着て、姿見で自分の姿を確認した。ステージも予期した濃い目の化粧と、普段着に近いファッションは少々不釣り合いだが、見れなくはない。
蘭はかなり疲れたのかロッカーを開けることもせず、休憩用のソファに体を預けていた。高いヒールのかかとを抜いてつま先で遊んでいる。
「芸能人かと思った! いいなあ。若くて、イケメンで、お金持ち。その上ママからの信頼もあって、女の子の扱いはスマートで……」
蘭が指を折って数えるように斗真の魅力を語ると、レディは苦笑いがこみ上げてくる。蘭はわかりやすいくらい即物的で細かいことを考えない分レディにとってはいっそ清々しい。
「蘭だってさっきのお客様、場内だと思ったら本指名だったんでしょ?」
「えー、だっておっさんだもん。蘭別に枯れ専じゃないし。客としては良いけど」
スーツを着た三十代半ばほどの客が蘭にとっては枯れているらしい。その点については触れずレディは曖昧に笑うだけにした。
「私だって別に恋愛関係じゃないわよ」
「そりゃそうですけどぉ」
客として来店しているのだから当たり前だ。例え一度身体を委ねたことがあっても、恋愛感情は絡んでない。
レディは少し考えていた。もしこのまま、今日も家に来たいと言われたら、レディは断れるだろうか。
「うーん……難しいな……」
レディは異性に厳しく拒絶することが得意ではない。だから最初から距離を取る。けれど斗真には距離の取り方を間違えてしまった。
ぱたん、とロッカーを閉ざして、扉近くの小さな鏡の前に立つ。
「うん? あれ、レディはこのあとアフター?」
「そうだよー」
髪を整え薄手の上着を羽織る。頬が上気して赤くなっているのは、ファンデーションを厚塗りしてもどうにもならないだろうと諦めて、鏡に向かって笑顔の練習をした。口紅だけは塗り直しておく。
「なんかレディ、普通に酔ってる?」
レディの話し方や雰囲気から、いつものクールさがなくなっていることを蘭は見抜いた。どれだけ激しく強い酒を煽っても、理性を失ったところを見たことがない友人が、どこかころころと丸く柔らかい雰囲気になっている。
「えっとまあ、ちょっとは?」
「めずらし――」
「レディ!」
蘭の言葉を遮って、フロアから慌てた様子のマミママが入ってきた。
「あ、マミママ、おつかれ」
蘭が挨拶をすると、マミママは軽く頷いた。既に帰る準備が整っているように見えるレディに向かって強い口調で叫ぶ。
「のんびりおしゃべりしてないで、着替え終わったなら、早く行きなさい!」
「は、はいっ」
「失礼のないように……白鳥様、レディのこと好きで好きで仕方ないのよ。オーラスでいるなんて初めてだもの」
オーラスとはオープンラストの略称で、店の営業時間の最初から最後までいることを指す。VIPは何も頼まなくても座っているだけの金額が、他の席より高額なので、長時間入ればいるほど会計がかさむ。
斗真が今晩だけでいくら使ったのか、伝票をはっきり見なかったレディにはわからないが相当な金額なことは間違いなかった。
マミママは何度も失礼があってはいけないと何度も確認してきた。今晩使った金額、これから使うであろう金額を考えれば、アフターサービスは過剰なくらいでも構わないとすらレディに言い含める。
レディはそこまで神経質にならなくても、と曖昧に笑いながらマミママと蘭に別れを告げて、エレベーターを降りた。
レディがエレベータを出るとビルの一階で斗真と佐々木が煙草を吸って待っていた。煙の独特の香りと外の空気をレディは同時に吸い込んで、ふらりと立ち眩みした。
そんなレディの背中を、強い腕が支えた。逞しい斗真からは香水に混じって軽いアルコールの匂いもしたが、肌は白いままだった。その涼しい首元に、上には上がいるものだと感心する。
「っと……大丈夫?」
「ごめん。ありがと……なんかちょっと酔ったかな」
レディは真っ直ぐに斗真を見れなかった。今の状態で斗真の綺麗な顔を見てしまうと、今まで以上に絆されてしまう気がした。
斗真は優しくレディの手をとって飲ませすぎただろうかと心配げに見つめる。
「ワインの美味しい店に行こうかと思ったけど、食事だけにする?」
「平気……。あ、嘘、可愛くないわね、私」
レディは斗真の手を握り返した。強がってしまうのは悪い癖だと自分を戒める。
斗真はレディのそういう素振りがかえって愛らしいとさえ思っていたので、純粋に首を傾げた。
「なんで? 可愛いけど」
「だって、男性はお酒の強い女より、可愛く酔える女の方が好きでしょ」
「レディは僕に好かれたいの?」
その言葉にレディはハッとして、失言した、と口を抑えた。何を言っているんだ、きっと酒のせいで頭がおかしくなっている。
レディが言葉を何も返せないでいると、斗真は優しく微笑んでレディの髪を撫でた。
「ごめん、愚問だったね。好かれたいのは僕の方」
斗真は巧みな言葉でレディから責任を奪った。腰に手を回して、佐々木が二人を待つところまで誘導する。
「レディ、バッグを佐々木に預けて。腕を組んで歩きたい。二つ目のお願いだよ」
斗真は勝利のご褒美を大して重用してはいないようで、わざわざお願いの権利を行使しなくても受け入れてしまいそうなことに使ってしまった。
一応は枕を共にした仲なのだし、もっと過激なお願いをされると思っていただけに、レディは軽く拍子抜けした。
お願いのストックは、あと一回。
レディは肩がけのバッグを佐々木に差し出すと、縋るように斗真の腕を取った。
◆
佐々木が運転するベントレーの後部座席で、レディの甲高い笑い声が響く。
すっかり酔いが回ったレディはかなり上機嫌で、面白い冗談ばかりを次々言う斗真の胸をポンポン叩いた。
大した力も入っていないレディのパンチを斗真は避けることも振り払うこともしない。
「斗真は、冗談がうまいのね! 顔も良くて、スタイルも良くて、お金もあって……ぜったい、絶対! たくさんの女の子があなたを放っておかないわ!」
レディは車に乗り込んでからというもの、斗真を褒める発言ばかりを繰り返していた。その一方で距離をとるような発言をしているのも事実で、レディが少なからず斗真の女性関係に対して疑念を抱いていることを隠せていない。
斗真はレディの一見面倒な発言にも嫌な顔一つせず、優しく手を握って耳元で囁く。
「僕の過去が気になるなら全部話すよ?」
熱っぽく囁かれた声は、レディの鼓膜から通って脳まで溶かすように甘い。絆されてはダメだ、とかぶりを振る。
「違う、過去じゃなくて、今の話!」
「今? レディしかいないけど」
「私を数のうちに入れないでよ」
斗真の完璧な微笑みからレディは目をそらした。
きっとレディが斗真に会っていなかった数日の間、何人もの女性と寝ているに違いない。
彼は男性的な魅力に溢れ、そして自覚もしているようだから、本能の赴くまま、自由を楽しんでいても何もおかしくないからだ。
そしてもちろんレディにそれを責める権利もなければ、その数のうちに入れられるのもおかしい。
「ミスレディ、ご自宅はもう少し先ですか?」
「ん? うーん?」
佐々木に促されてレディが車の外の景色を見るが、いまいち自分がどこにいるのかわからなくなってしまっていた。
見慣れた景色なのに何かがおかしい。視界が狭く、頭が回らない。
「次の十字路を右に曲がって、建設会社の裏まで車を進めて」
斗真が涼しい顔でレディの自宅までの道のりを指示した。あまりに的確なそれに、レディの方が驚いてしまう。
「あ、斗真さんは知ってるんでしたね。もうそんな仲だなんて、流石プレイボーイは違うなぁ」
「佐々木?」
嫌味をいう付き人の佐々木に対し斗真が眉をひそめると、その隣で、レディが両手を叩いた。
「そうなの!」
佐々木に同意を示したレディは、そのまま息継ぎせずに言葉を続ける。
「斗真は二日もうちに泊まったのよ。無神経でしょう? 女の一人暮らしに……」
そもそも帰って欲しくないと言ったのも、色事をしかけたのもレディなのだが、そんなことはまるっと棚上げして、わざとらしく口をとがらせてみせた。斗真はシニカルに微笑んでレディを見得る。
「あれは僕のせいなんだ?」
「むぅ、私のせいだっていうの」
レディが子供っぽく頬を膨らませると、斗真がさりげなくレディの後頭部を捉えた。レディはもう強い抵抗をしない。
「ふふ、むくれてるのも可愛い」
曖昧な意識の中でレディは斗真の匂いを嗅いだ。
ジバンシーの香水、その甘い香りと、整髪料の香り。
キスされる、とレディが認識した時にはもう唇が触れ合っていた。
佐々木は車のバックミラーで二人の様子を確認して、深いため息を一つついた。
車がレディの家の前に到着すると、斗真が先に降りて、酔って足元の覚束ないレディのエスコートをした。
玄関扉の前まで来てもまともに自分の力で立つことの出来てないレディは、後ろに立つ斗真にほとんど体重を預けている。
「レディ、大丈夫? 鍵は?」
「バッグの中……赤いキーケースの……ああやだ、めんどくさい。斗真、うちの鍵持ってるでしょ」
ごそごそと自分のバッグの中をレディは探るが、それらしい物体に手が当たらない。化粧ポーチの下になってしまったのかも知れない。
わざわざそれを目視して取り出すほどの冷静さが、レディには残っていなかった。
「僕が開けていいの?」
「帰る気なんかないくせに何言ってるの」
「帰す気がないのはレディの方じゃない? 手をずっと握ったまま……これじゃ帰れない」
レディは無意識のうちに強く斗真の手を握ってしまっていた。指摘されて恥ずかしくなったレディは、頬を赤く染めつつ口を尖らせる。
「三つ目のお願い?」
「いや? 僕は帰るつもりだよ。……だから佐々木が車を――」
斗真が言い終わるよりも先に、レディが振り返って斗真の唇を奪った。ここまで来てそんな野暮なことは言わないでほしい――首に腕を回して唇を離そうとしないレディの情熱に、斗真が優しく応えた。二人は激しく互いに貪ったあと、酸素を求めてどちらともなく唇を離した。
お互い遠慮がちに見つめ合って、レディはすぐに逸らした。自分が何をしたのか、何を求めているのか、きちんと認識するのが恥ずかしかった。斗真はそんなレディの迷いを逃すことなく、顎を捉えて自分に向かせた。
「レディはもっとわがままでいいんだよ」
「わ、わからないよ、今私はおかしい……」
「お酒のせいにすればいい。ねぇ言ってみて? 本能の、欲望のままに」
レディは浮遊したかのような視界の端で、佐々木が運転するベントレーがその場を離れていくのを見た。――ああダメよ佐々木さん帰らないで。だって斗真が帰れなくなっちゃうじゃない。
家に来たいと言われたらどうしよう、などという懸念はただの杞憂だった。だってこれでは、自分から招いているようなものだ。
――また私は彼を家に招くの? 今度は、どんな言い訳をすればいいのかしら。
◆
球体人形、置き時計、スタンドライト。イギリス製グラスのオブジェ、アンティークプレスドグラスのフラワーベース。先日身罷った老人の趣味であろうアンティークの小物たちは、愛しい我が子かのようにレディを見守る。
斗真は灰皿を探すついでに部屋を見て回った。ガラス製のトレーなどは、ただのトレーなのか灰皿なのか、判断ができないほど細工が美麗で、とても灰を捨てる気になれなかった。
寝室の窓際、クローゼットの隣にアンティークの棚があった。その上は小さな祭壇のようになっていて、マリア像と十字架、ロザリオ、そしてキャンドルと、着火用のマッチが置かれていた。
斗真は無意識的にマッチに手を伸ばし、火をつけた。そしてキャンドルに明かりを灯して、マッチを振って火を消した。側に置かれていた鉄製トレーの上にいくつも使用済みのマッチが置かれていたので、例に倣うことにした。
キャンドルは深夜の風に揺らめきながら、周囲を照らした。照らされたマリア像が、柔らかく微笑んでいる――慈愛に満ちた聖なる母に、近づきたい、触れたい――斗真はサン・ピエトロのピエタを思い出した。一般公開の日に一度だけ見たことがあるが、その美しさに気が狂い、腕を破壊したという男の気持ちを、そのときは全く理解できなかった。だが今なら理解できる――。斗真は思わず手を伸ばしていた。
「触らないで」
ビクッと斗真の背中がしなった。ベッドの上で上半身だけを起こした裸のレディが、背中越しに斗真を睨んでいた。斗真は自分が無遠慮だったことにようやく気がついて、おずおずと家主の方を振り返った。
「祖父のものよ。勝手に触らないで」
「このマリア像……は……」
斗真自身何が問いたいのかわからなくて、額を抑えた。レディは斗真に悪気がなかったことに気づき、緊張を解く。
「祖父はマリア崇敬が強かったの。私の分身だから」
「分身?」
「……冗談よ」
酒が抜けたのか、レディは先程までの柔らかさを失っていた。家を守ろうとする女主人の風格で、身体にシーツを巻き付けると、強い視線を湛えたまま斗真の元へと歩み寄った。
レディから発せられる、激しく強い炎のような空気感に斗真が珍しくたじろいだ。強い意志。頑なに守る覚悟。僕はこの瞳に強く惹かれた――レディの強さはまるで、伝説に聞いたオルレアンの聖女のようだった。
「このマリア像はね、私がここへ引き取られた日に祖父が買ったものなの」
レディが引き取られたのは小学校四年生の頃だった。両親を事故で亡くし、一人ぼっちになってこの家にやってきた。軽く数えて10年の年月だ。大切にされていたマリア像も少しばかりくすんできている。
「仏壇も、神棚もこの家にはないけど、キャンドルとロザリオさえあれば、誰でも祈ることができるわ。――罪の告白でもしたら?」
ロザリオを手渡された斗真は、流石に戸惑った。特に信心深いわけでもなく、現実を生きてきた斗真にとって、祈るという行為はやたら特別なもののように思えた。これまで精々祈っても、新年に初詣に行くくらいだった。それも何か神頼みをしたいわけではなく、ほとんど人付き合いのそれだった。
「ふふ、ないわよね。そりゃそう、急に日本人が言われても、懺悔することなんか」
「あ、ある。えっと僕は、勝手に人の物に触ろうとしました……お祖父さんの大切なマリアに」
斗真のささやかな罪の告白にレディは柔らかく笑って首を傾げた。
「ふふふ、でも大丈夫、主はあなたをお許しになられます。……主はいつまでも怒ってなどはおられない。私達の罪に従って私達を扱わず、私達の咎に従って私達に報いることもない……聖書の一文よ」
「まるでシスターだね」
「シスター? 私の操は、もうほとんど腐りかけ。あなたが紳士を崩さないからギリギリ保ってる。私は不信心者よ」
レディは艶やかに口の端をそりあげて、斗真の首に腕を回した。身体に巻き付くシーツが支えを失って肌蹴そうになるのを、斗真が抱きしめることで留まらせた。
――今更おかしなことを言うのね。
レディは年齢にそぐわない大人びた視線で斗真を見上げた。レディの赤みを帯びた黒い瞳と、斗真の色素の薄い茶褐色の瞳がゆっくり絡み合った。
「……どうして最後までしないの?」
レディの質問に斗真は黙して答えない。何故お願いの権利を使って、彼が欲望をぶつけてこないのか、レディには分からなかった。
「気を使ってるつもりなら意味ないわよ。人は原罪を免れず、悪魔のささやきに逆らえない」
「僕は悪魔なの?」
「違う。悪魔は私の中にいるわ、欲望、本能……」
レディは指を折って数えた。脳裏には聖書や絵画でみた悪魔の姿が浮かんでいた。自分の中に存在するのだ、あのおぞましい姿の怪物が。
けれどいくら神に祈ってもかなわないのなら、いっそ悪魔に身を委ねるのも悪くはないのかも知れない。
「それは生物として素直なことだ。悪いことじゃないよ」
斗真の言葉は免罪符のようだった。レディは懸命に首を振る。
乾いた空気が後押しするかのように、抱き合う二人の影を映すキャンドルの炎が激しく揺れる。
斗真は抱きしめたままレディの黒い髪を優しく撫でた。上質な絹糸のような手触りに、ため息さえ溢れてしまいそうだった。
「別にもう悪くたっていいわ。でも分からない、斗真が何を恐れているのか。処女は嫌? 重い?」
「そんなことはないよ。君がこの年まで貞操を守ってきたことは素晴らしいことだよ。僕の周りは……イメージ通り少し乱れているから」
斗真は自分の欲望と、理性の間で揺れ動いていた。どうしても今までのように軽々しい振る舞いはできなかった。
「なら……なにか後ろめたいことがある?」
「言い得て妙だね」
「ふぅん。斗真は悪い人なんだ」
レディの言葉は透明なナイフのようで、ぐさりぐさりと斗真の心臓を抉っていく。
斗真は今すぐ跪いて許しを請いたい衝動に駆られながら、レディの細い腰を強く抱きしめた。
「レディ、キスをさせて」
「三つ目のお願い?」
「いや…….嫌ならいいんだ」
斗真は力なく笑った。その諦観にも思える自嘲は、逞しいはずの斗真をとても弱々しく見せてきて、レディは居た堪れなくなった。
「嘘よ、意地悪を言いたかっただけ」
レディが許容を込めて笑ってみせると、斗真は一瞬刮目してから情熱的にレディにキスをした。
互いが互いの舌を追いかけるように、口の端からこぼれる透明な糸など介せずに、ただ欲望のまま縋りあった。
沼のように纏わりつく恍惚の湖の上で、二人はそれでも心はどこか別の場所にあった。
そうでもしなければもう、突き刺すような感覚に溺れて沈んでしまいそうだった。
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