完璧jkと付き合いたいっ
こまつな
第1話 電柱くん
朝ごはんを食べ、制服に着替え、カバンの中身も確かめた。準備は万端だ。
「兄ちゃん忘れ物ないー?」
俺は妹にぐっと指を立てた。そもそも今日入学式だから用意するようなものはほとんどない。
「いってきます」
「兄ちゃん上履き忘れてるよ!」
妹から上履きを受け取って、家を出た。
今日から通い始める高校はそれほど遠くない、電車で30分もあれば余裕でつく。
しかし
「これってもしかして反対方向乗っちゃった感じですか……」
急いで電車に乗り直して、着いた瞬間駅から走り始めた。
「あと5分か。ギリギリだな」
ゴツンッ
「痛ってぇー」
時計を見ていたら電柱にぶつかった、誰にも見られてなくて良かったと安心していると
「あはっ あはは。電柱にぶつかるとかダサいね」
JKに目撃されてしまった、しかもめっちゃ笑われた。死ぬほど恥ずかしったので走って逃げた。
教室に着くとそれほど人がいなかったので不思議に感じて教室の時計を確認するとまだ集合の15分前だった。腕時計は15分後の8時半を指している
「静葉か、時計を早くしたのは。よく気が利くと言えばそうなんだがな」
ガラガラッ
「あっ電柱の子じゃん!」
なんという悲劇だろうか。まあ学校の近くで会ったJKだから当然といえばそうなのだが。
「……」
クラスにいた全員が一斉にこっちを見てきたので、自分じゃないですよアピールをしたが、ヤツは近づいてきた。
「おでこ赤くなってるじゃん、やっぱり電柱くんだー」
どうやら明日から俺のあだ名は電柱くんになりそうだ。悲しい。すると後ろにいた男が
「なんで電柱くんって呼ばれてんの? あっ俺は松本貴斗、よろしくな」
「北川優希、よろしく。今日学校の行きしなに……ってとこからだと思う」
「だっせぇーな」
そう言いながら、松本は笑い続けていた。
ガラガラッ
すらっと伸びた長い足、腰まで伸びた長い髪、上品な顔立ち。そんな完璧JKに俺は一目惚れした。
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