夏色
ふぅ。やっぱり病室の中はクーラーが効いてて気持ちいいね。生き返りそう。
私達はこんな暑い中登下校しなきゃいけないのに、あんただけこんな快適な空間で過ごせるなんてずるい。早く起きて、外の地獄を体感してよ。
なんてね。そんなことあんたに言っても仕方ないよね。ごめんなさい。
夏といえば、この前、彼とチャリを2ケツしたよ。
……起きてたら、「女の子がケツなんて言っちゃダメ」とか、「自転車の二人乗りは危ないよ」とか言われたのかな。あんた、そういうところで真面目だったもんね。
……ちょっと待ってて、お花摘んでくる。
お待たせ。
そう、二人乗りしたのよ。自転車。彼が前で、私が後ろに乗って。初めてでちょっと怖かったけど、坂道をゆっくり下っていく時は、風が気持ちよかった。
あんた、ゆず好きだったからね。
羨ましい?羨ましいでしょ?
羨ましいって言ってよ、ねえ。
ごめん、無茶言って。
また来るね。それじゃ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます