第十二章『一番最初の依頼』
木曜日の放課後、パレット部室で集まった部員達は回収したボランティアの依頼ボックスの中身を取り出し、沢山のボランティアの依頼用紙が集まってきた。
裕子「わぁ!すごい!」
史「結構溜まったわね」
亜弥「わぁお!」
万紀「こんだけ集まるとはな……」
優梨子「ひぇ〜」
千晶「選ばないといけないの? めんどくさー」
やる気を失せる千晶に映美先生は。
映美「オイオイ千晶、沢山の依頼の中から選ぶんだぞ」
千晶「はーい、分かってるけどやっぱりめんどくさー」
優梨子「ととととにかく依頼を選びましょ?」
そう優梨子が言うと部員達は沢山のボランティアの依頼用紙を選び始めた、最初に依頼を見つけたのは万紀だった。
万紀「こんなんのはどうだ?」
映美「ん? 『花壇の管理を代わりにやってほしいです』か……悪いが却下」
万紀「だよな……難しいぜ!」
却下されたことが悔しいのか苛立ちをみせる万紀、そんな中次の依頼を見つけたのは亜弥だった。
亜弥「はいはーい! これはどう?」
史「ちょっとまって、これは『好きな人がいるんです、告白のアドバイスをください』って書いてあるわよ、私達、あくまでボランティアだからみんなが喜ぶお手伝いをするのよ?」
亜弥「う……」
指摘する史に落ち込む亜弥、次の依頼を見つけたのは優梨子だった。
優梨子「あの……これはどうでしょうか?」
映美「ん?『今度バトミントンの中総体があるので応援をお願いします』……これは保留だな」
優梨子「はひ……」
映美先生に保留されたことに戸惑う優梨子、最後に見つけたのは裕子だった。
裕子「『校舎の中にある通路で桜の花びらの掃除をお願いします』というのはどうでしょう?」
映美「先生からの依頼っぽいな……まっいい、これならボランティアとして成立するだろう」
万紀「あたしはやってやってもいいかな」
千晶「賛成」
史「千晶は最初から探す気ないでしょ、まっ、私もそれいいかも」
亜弥「おっ! いいね!」
優梨子「私もそれがいいと思います」
パレット部全員がこの依頼を一致した。
映美「よし、決まりだな、明日私が放送に入れるからな」
全員「分かりました」
こうして最初の依頼が決まったのだった……
金曜日の昼休み、映美先生が放送した
映美「パレット部の顧問、一色映美からのお知らせします、沢山のボランティアの依頼用紙を出して頂きありがとうございます、パレット部員が選び抜いた結果、校舎のの中にある通路で桜の花びらの掃除に決まりました」
映美先生の放送を聞いて喜ぶ生徒もいれば悔しがる生徒もいた。
映美「以上、パレット部の顧問、一色映美からのお知らせでした」
映美先生の放送を聞いた裕子は気合いを入れた。
裕子「よし! 今日は桜の花びらの掃除頑張るぞ!」
万紀「あたし達もいることを忘れんなよ?裕子」
優梨子「わわわわたしも頑張ります」
気合い入れてく一年生のパレット部員達、それを心配する人がいるとは誰も知らない。
放課後、校舎の外でパレット部員全員が集まった。
映美「今日限りたが、校舎のの中にある桜の花びらを掃除するぞ」
全員「おー!」
こうして最初の依頼が始まった。
校舎の中にある通路の桜の花びらの掃除中。
万紀「だぁー! 結構腰くるぜ!」
史「本当、箒で掃いてもきりがないわ」
優梨子「風がないだけでいいですけど」
千晶「猫車を持ってきたよ」
亜弥「わたしも持ってきたよ!」
映美「千晶、亜弥ありがとう、ちりとりで集めた桜の花びらを猫車に入れるんだ」
裕子「はーい、外用の箒っていっぱいあるなんて知らなかったよ」
映美「昔は美化委員がやってくれたが、生徒の減少でやらなくなってしまったからな……」
ワイワイと楽しく掃除するパレット部達、そして……夕方になる頃には掃除が終わり桜の花びらだらけだった校舎の通路が綺麗になった。
亜弥「わーい! やっと綺麗になった!」
史「しばらくは掃除する必要ないわ」
万紀「まっまたそうなったら依頼としてくるしな」
優梨子「綺麗になると心が安らぐんですね」
千晶「おかげで何かが浮かんだかも」
裕子「ふぅ〜いいことするって気持ちいい!」
映美「裕子、当たり前の事に言うんもんじゃない、まっ確かにスッキリしてていいかもな、それじゃみんな、ここで解散だ」
全員「はーい」
こうして最初の依頼を終え、パレット部員達はそのまま帰ったのだった……。
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