ビフォアー・プロローグ 4

 最後の有角種は読んで字の如く、額に角が有る人たちです。

 もう少し深く言うなら、『エネルギーを吸収しする角を造り、何世代にも渡って額に埋め込むことで、ついにはエネルギーの結晶体が自然と生えるようになった人種』ですね。


 そのせいか、全体的に道具を作ったり技術面に強い人が多いみたいです。

 ちなみに妖精種は人脈を使う仕事が得意で、半獣種は化学系が多いそうですよ?

 まあ、全員が全員、その職に就いたら、世界のほとんどは化学者で、技術職がかなり不足してしまいますけどね。


 ……あれ? まさか、そちらにはエネルギーもありませんか?

 この世界の人が三種類に分かれた原因なんですけど……

 え? いや、エネルギーはエネルギーですよ。魔力が見つかる前に使われていた機械の原動力です。その原動力を使いすぎて枯渇してしまったので、それぞれの対応を取った結果が三人種というわけです。


 何から……。火山の溶岩がメインですけど、広い意味では地球からとしか……。それ以上は言い方がありません……

 ……すみません。ありがとうございます。

 一応、出来る限りの補足をするなら、地球と言う砂糖が、空気に相当する水にエネルギーを溶かしているもののの、揺らぎは出来ないような感じです。


 いえ、ほとんど使われませんよ。

 魔力社会なので、用途は有角種が動くためのエネルギーと旧世代の道具を動かすくらいです。

 本当は魔力なんかより圧倒的に効率は良いんですけどね。何せ、地球保護の話がありますから、必要最低限以上は使えません。


 昔は高エネルギーの結晶だからと、有角種の角を狙った『狩り』を称した活動もあったみたいですけどね。有角種は角を折られると、エネルギー不足で衰弱──最悪、死んでしまうので、今は法律で禁止されています。

 それでも名残と万が一を考え、彼ら彼女らは特殊なアクセサリーで角をエネルギーに戻し、そのエネルギーを体に纏って隠しているんです。


 まあ、有角種が本気になれば、子供でも大人の半獣種以上の力を発揮しますけどね。

 単位が違うのでどうかと思いますけど、仮に比較できるとすれば、彼ら彼女らは羽を持っている妖精種の魔力貯蓄量より、さらに多くのエネルギーを持っているそうです。ただでさえ効率の良いエネルギーを、ですよ。

 それを全て筋力の強化やらに使えば、赤子の手を捻るより容易いでしょう。どっちが赤子か分かりませんけどね。

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