第84話、実はチート転生勇者は、魔法少女だったりして⁉

 ──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃん&お姉ちゃん、こんにちは☆


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ♡



 さて、本作は基本的に、その時点その時点において、ネット上で話題になっている、『異世界転生(や転移)』系の話題があったら、それをテーマにして語っていくって方針なんだけど、今回のお題は、某歴史的超傑作の外伝ソシャゲ作品がアニメ化されて要注目の、『魔法少女』についてだよ!




 ……うふふ、どうして『異世界転生』をメインテーマとする本作において、『魔法少女』なんかを取り上げるのか、疑問にお思いの方も多いでしょうけど、実は本作の作者ってば、これとは別の作品の作中新シリーズを立ち上げる際に、例の某『魔法少女アニメ』を詳細に分析したところ、まさしく『魔法少女』とは、異世界系Web小説における『転生勇者』そのものであることが、判明したからなの!




「……お前は一体、何を言っているのだ?」


「ちょっと話題の魔法少女アニメを見ただけで、完全にかぶれやがって」


「魔法少女が転生勇者そのものとか、いくら何でもあり得ないだろうが?」




 ──はいはい、皆さんのご懸念もごもっともですので、今から具体的な例を挙げて、詳しくご説明いたしますから、どうぞ御一読のほど、よろしくね!




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 昔々あるところに、チート勇者の潜在能力を秘めている、(Web小説的にも)非常に有望な少女がいました。


 ただしお気の毒なことにも、彼女には不治の病を抱えている幼い妹がいて、ずっと看病をし続けてきて、心身共に大変な負担となっていたのです。


 それに目をつけたのが、邪悪な魔女たちが大勢住んでいる異世界を支配している女神様で、少女に対して以下のような、『交換条件』を持ちかけました。




「──女神である私と契約して、異世界転生して、勇者として魔女たちを退治すれば、どんな願いであろうと、一つだけ叶えてあげるわ♡」




 もちろん妹思いの少女は、二つ返事で承諾して、「妹を健康にして欲しい」という願いと引き換えに、女神の支配している異世界へと転生して、物心がつくと同時に身の内に秘めていたチート能力に目覚めるや、悪い魔女たちをバッタバッタと退治していきました。


 ちなみに、生まれ変わった異世界の家族においても、妹が一人いましたが、その子は生まれつき健康そのもので、不治の病なぞにかかったりはせず、ずっと姉妹仲良く暮らしていきました。


 ──めでたし、めでたし♡




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 ……うふふふふ、どうよ?


 某『魔法少女アニメ』、そのまんまでしょう?


 それでいて話の『フォーマット』のほうは、完全に異世界転生系Web作品の、『お約束』そのものだしねえ。



 ふはははは、そうかそうか、転生勇者って、魔法少女だったのかあwww



 ──いやいや、単なる笑い事じゃ無くってさあ。


 これって結構、『単独の短編作品エピソード』としても、イケるんじゃないの?


 このままプロットを肉付けして、『カク○ムコン5』にでも、新作として公開してみようかしら?


 例えばさあ、このストーリーの(これまでの)展開的に、少女が異世界転生を承諾した時点で、元の世界の妹のほうは、不治の病から快復しているように思えるじゃないの?


 もちろん当事者である、勇者少女自身も気になって、ふとした折に女神様に確認をしてみたところ、「あら、ちゃんと元気にやっているじゃないの? ──は」とか、言われたりしてね♫


 ──そうなの、女神が健康を約束したのはあくまでも、異世界で誕生した、新しい妹のほうなのであって、元の世界の妹のほうは、そのまま病気が悪化して、お亡くなりなっていたりするの。


 それでいて、契約時の、「妹を健康にする」という約束は、ちゃんと守っていることになるんだから、とんだサギもあったものよねえ。


 何が女神様よ? お前はどこの『白くて邪悪なインキュベーター』かって、感じよねえw



 どうでした? 本家の某『鬱々魔法少女アニメ』も真っ青の、この大どんでん返しは?


 作品を公開した時の、読者様の反応のほどが、今から大いに楽しみよね♡



 もちろん勇者少女自身も、「約束が違う!」と、女神様に猛抗議するんだけど、けんもほろろにあしらわれてしまうの。



「あらあら、お気の毒様。──でもねえ、そもそもの話、まさしく『完璧な現実世界』である、あなたが暮らしていた現代日本において、世のことわりをねじ曲げて、死の運命にある人間を健康にすることなんて、絶対に不可能なのは、言うまでも無いことじゃないの?」



 ──とか何とか、しれっと言ってのけちゃったりしてね。


 ……おいおい、『不思議存在』の代表格である女神様が、それを言うかあ?



 でもねえ、確かに彼女の言葉には、一理も百理もあるの。


 これまで何度も何度も本作等において、口を酸っぱくして言ってきたけど、現代物理学の中核をなす量子論や、集合的無意識に代表されるユング心理学に基づけば、世界と言うものは、完璧なる現実世界である現代日本は言うに及ばず、ありとあらゆる世界に対して、何らかの『改変』を加えることなんて、絶対に不可能なの!


 なぜなら、世界と言うものはあらゆるタイプのものが、からして、ある世界の『改変後の世界』も最初から存在しているので、改変する意味自体がまったく無いの。


 更に加えて、『世界とは一瞬だけの停止した時点に過ぎない』理論からすれば、世界と言うものは一瞬の時点のみに『固定されている』から、変更を加えることなんて、原則的に不可能なのよ。



 それじゃあ、今回例に取り上げた女神様や、例の白く邪悪なインキュベーターは、どのようにして、世界を改変しなければとても実現不可能と思われる、夢見る妄想癖の思春期の少女たちの願いを叶えているかと言うと、さっきヒントを与えたよね? ──そう、『最初から少女たちの願い通りに改変されている世界』へと、異世界転生させているわけなの!


 どうよ、これによってまさしく、『転生勇者=魔法少女』論が、更に確固として証明されたでしょう?



 特に、元祖の『まど○ギ』の主要キャラの一人である、某『キマシタワー』系魔法少女の固有能力が『時間操作』であるからして、これまでも『ループ』みたいなことを繰り返していたこともあり、現在絶賛放映中の某外伝『魔法少女アニメ』を、『まど○ギ』の『並行世界パラレルワールド的なもの』と捉えている向きも多いけど、実は『大正解』だったりするの!



 さっきも言ったでしょう? 世界というものはあらゆるタイプのものが、最初からすべて存在しているって。


 つまり、元祖の『まど○ギ』も、外伝の『マギ○コ』も、『ほむ○む』がこれまで経験してきた『別の時間軸の世界』も、そのすべてが量子論で言うところの、『別の可能性の世界』──いわゆる『多世界』なのであり、Web小説で言うところの、『異世界』そのものであって、異世界(転生)を司る女神様なら、今回例に取り上げたように、『妹の不治の病を治したい少女』を、『最初から妹が健康な世界』に異世界転生させることによって、本来は叶えることができないはずの『願い』を、叶えてやっていたってわけなのよ。


 言うなれば、某『劇場版』で、ま○かが存在せずにマ○さんが生き返っていたのも、別に世界そのものを改変したわけではなく、元々そういったキャラ配置の『異世界』だっただけの話なの。



 ──ほらねえ、以上に述べた諸々の論拠によって、魔法なんかで現実世界のことわりをねじ曲げようとする『魔法少女アニメ』が、異世界転生系Web小説そのまんまであることが、十分にご理解いただけたでしょう?

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