第59話、『最強キャラ』はあくまでも、作品ごとに『それぞれ』に。

 ──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃん&お姉ちゃん、お久しぶり☆


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ♡



 またしても、結構長い間ご無沙汰してしまって、ごめんなさいねえ。


 とはいえこのかん、別に完全に遊んでいたわけでは無く、『わたくし、悪役令嬢ですの!』等の別作品の更新はコンスタントに続けていたし、何よりも本作の作品づくりに役立てようと、ネット上において『異世界転生系のWeb小説』に関するスレをあさっていたりしたのよ?



 そしたらねえ、「すべてのWeb小説の中で、真の『最強のキャラ(スキル)』は誰(どれ)か?」という、大論争が展開されているのを目にしたんだけど、これがねえ……。



 もちろんこういったテーマなんだから、議論百出して紛糾するのは、わかるの。


 でもね、「俺は『××』というスキルこそが最強だ!」と主張するのならともかく、ほとんどの発言者が、「『××』というスキルも『○○』というスキルも『△△』というスキルも、すべて最強なんかじゃ無い!」といった具合に、とにかくすべてを否定しようとする、いわゆる『アンチ勢』の巣窟になってしまっているのよ。




 ──特に許せないのが、「何かとすぐに、『最強』とか『チート』とか『俺TUEEE』とかばかり言っている、Web小説は、やっぱりダメダメだぜw」といった、とにかく十把一絡げに、Web小説全体をこき下ろそうとしているところなの。




 しかも何と、本作の作者自身のむちゃくちゃお気に入りの作品を、いろんな掲示板ところで散々こき下ろされているのを、目にしてしまったのよお〜。


 いわゆる『即死チート』を扱った作品で、すでに何作も商業化を果たされている実力派の作者様の作品なんだけど、とにかく読みもしない人たちが、勝手なアンチ発言ばかりしてきて、もうとても我慢できなくなっちゃったらしいの。


 そこで、アンチ勢の皆さんはもちろん、こういった掲示板をご覧になったことの無い方にも、ご理解いただけるように、一つ一つの論点に対して、わかりやすく反論を行っていこうかと思うから、みんなもこれを機会に、『Web小説における真に最強のスキルとは?』に関して、あくまでも『肯定的意見』でもって考察していくように、考えを改めてちょうだいね!



【ちゃんと作品を読んでいれば納得できる反論】


・まずねえ、どの最強系作品の作家様も同様なんだけど、別に作家様自身は、自分の作品と他人様の作品を比べたりしていないし、自作のキャラ(やスキル)を、Web小説全体において最強だなんて主張してないわけ。


 ──いい? これこそが『基本中の基本』のセオリーだから、けして忘れないでね?


 それなのに、掲示板のコメンテーターの皆さんが、頼まれもしないのに各作品のキャラやスキルを比較して、勝手に全否定したりするから、不要な争いを生み出すことになるのよ。



・次に、くだんの『即死チート』作品の作者様は、あくまでも全著作的なセオリーとしては、実は『最強』と言うよりは、『俺TUEEE』のほうこそに、重きを置いているのを、忘れないで欲しいの。


 いかにも『即死チート』こそが最強であるかのように、とことん無敵スキルとして描写しているし、むしろ『最強チートへのアンチテーゼ』として、どこかで見たような最強系のキャラやスキルを、『即死チート』でバタバタとなで切りしているから、作者様自身が「『即死チート』こそが、全Web小説において、最強のスキルなのだ!」と喧伝しているかのように見えるけど、実はの。(ここ大事)


 作者様自身常日頃から、「Web小説やラノベにおける『俺TUEEE』作品は、本当に作品の最初から最後まで『俺TUEEE』であり続ける作品なんて、ほとんどありゃしない。なぜだか『俺TUEEE』主人公と互角以上のライバルキャラが出現したり、主人公自身が途中で敗北を喫し挫折して、己の無力を痛感したりして、再度修行に打ち込んで、更なる高みを目指すといったパターンばかりだが、『最初から完全無欠の最強キャラ』以外が主人公の作品は、真の『俺TUEEE』作品では無いのだ!」と言うことで、ご自身の著作の中においては、主人公を絶対に敗北させたり挫折させたりしない、徹頭徹尾『最強キャラ』として描き続けることをセオリーとしておられるので、いかにも「俺の主人公こそ、全Web作品において最強だぞ!」とアピールなされているように誤解されているだけなの。



・ただし、この作者様以外の、『普通の俺TUEEE作品』の作者様たちの気持ちも、わからないでもないの。


 今回の本作のテーマの一つでもあるんだけど、本当に誰にも負けない、本当に最強なキャラを、自作の主人公にしてしまったら、そもそも話が成り立たないのよ〜w


 本作の作者の作品にも、「これぞ全Web小説における、真の最強スキル主人公だ!」ということで、『その作品世界にとっての、』キャラというのをよく登場させているけど、確かに『その世界にとっての作者としてのスキルを有しているキャラ』ともなると、世間でよく言うように『作者こそ、その作品世界における、神様的な存在』なんだから、文字通り神様そのままに何でもできることになるはずだけど、とある他人様の作品において、連載早々に大ピンチに陥った主人公が、自分に襲いかかってきたモンスターの大群を、当のファンタジー異世界そのものについて記した自作の記述を書き換えることによって、一瞬で消し去ってしまったところ、の。


 ……そりゃそうよねえ、指先ならぬ『筆先』一つで、どんな存在でも消し去ったり、逆に何でも生み出したり、更には世界そのものを改変したりもできる主人公なんて、まさしく『何でもアリ』になってしまって、現実世界の本物の作者(w)自身さえ持て余してしまって、まともな作品なんて創れっこないわよね〜。


 それと同じように、本当に本当の『最強キャラ』を主人公にしてしまったら、ストーリーに起伏がまったく無くなって、作品そのものが創りにくくなってしまい、作者としてはどうしても、『最強』のはずの主人公をピンチに陥らせたり、無力感に苛まさせたり、下手すると何だかんだと屁理屈を付けて敗北させたりする、「それのどこが最強なんだよ?」とも言われかねない、本末転倒な展開にせざるを得ないの。


 もちろん『即死チート』の作者様ご自身も、そんなことは百も承知で、別に他の作者様を批判するためでは無く、あくまでもご自身の『努力目標』として、ご自作の主人公においては勝利のみを貫かせて、『俺TUEEE』を維持しつつ、ちゃんと作品のストーリー自体にも、読者様が満足できるダイナミズムを実現しているのだから、大したものよねえ♡



あと、決定的な反論材料として、この作者様って、別の御著作の中で、『即死チート』らしきスキルを、その作品の主人公によって、あっさりと破ったりしているのよねえw


 それというのも、あくまでも作者様は、、『俺TUEEE』を貫こうとなされているのだから、『即死チート』以外の『中二病』的作品の中では、当然『中二病』的主人公のほうが最強になるってわけなのよ。良かったわね、お姉ちゃん!


 これ一つとっても、作者様が、「あくまでも自分のキャラが最強なのは、自分の作品の中だけであり、別にWeb小説全体で最強であるとかは、断じて言っていない」ことがわかろうというものでしょう。



・そういうことも含めて、アンチ勢の皆さんは、まず作品を読んでから、否定的意見を述べるようにしましょうね。


 特に言語道断なことにも、「こんな作品を書くやつも、こんな作品で喜んでいる読者どもも、どうせ社会不適合者の、引きこもりの負け組に違いないw」なんて意見ばかりが目につくけど、作者様の御著作のあとがき等を読めば、作者様が小説以外に職業をお持ちで、ご結婚もなされていて、可愛い娘さんまでおられることがわかるのにねえ。


 ──果たして、本当に『負け組』なのは、どっちなのかしらあ?



【結論】Web小説における『最強キャラ』は、作品ごとに、『人それぞれ』に。



・『最強』と言っても、『力』や『技』が秀でている必要は無い。


 本作の作者が、いわゆる『その作品世界における作者としてのスキル』を有するキャラを思いついた際には、得意満面に「わしの主人公こそが、Web世界一じゃ!」とイキっていたのだけど、某作品──それも、召喚師が『モン娘』とエッチするためだけに、召喚術を身につけるという、とんでもない作品を目の当たりにした瞬間、完全に考えを変えてしまったの!


 一見その作品は、スケベな主人公が馬鹿なことやっているだけで、どう見ても『最強』とか『俺TUEEE』とかには関係無いはずなんだけど、どんな恐ろしい悪魔的な人外バケモノであろうが、それが(主人公の主観的に)エロかったら、戦いとかクエストとかそっちのけで飛びついて、エッチなことをしたり愛を語ったりする、どこまでもふざけた内容でありながら、そんな主人公の人と人外との垣根を越えた、『全種族愛』とも呼ぶべき果敢なる行動こそが、強大な異能の力を有する魔神等の頑なな心を解きほぐして、『争うこと無しに理解し合うこと』を成し遂げるという、本来Web小説の(闘うことしか能の無い)セオリー的にはあり得ないはずの、偉業を達成したの!


 これに感銘を受けた本作の作者ったら、「スケベ心こそ、Web小説における、最強のスキルなのだ!」などと言った、ぶっ飛んだレビューを書いたぐらいなのよw


 つまり何が言いたいかというと、『最強』の定義なんて人それぞれであって、作者ごとに違っていて当然なのであり、「『即死チート』と『スケベ心』のどちらが最強か?」なんて比べること自体が馬鹿げていて、別にWeb上で言い争いをしたり、他人様の作品にケチつけたりはせず、自分が『最強』だと見なしたものを、自分の心の中だけでそう思っていればいいのよ。


 それを下手に、「自分の作品のチートこそ最強だ」とか、「あの作品のチートは見かけ倒しだ」とか言い出すから、要らぬ争いを生み出すだけなの。



・そこで最後に、「わいがみんなに、お手本を見せてやるでえ」w


 結論として、「『最強』とは、人それぞれ」と言うことになったので、ここで、『具体的にわかりやすい例』を挙げようと思うの。


 実は本作の作者自身が、『小説家になろう』様において公開している、短編連作『なろうの女神が支配する』の中の実験作的新シリーズにおいて、現代日本の『女教師』が異世界転生して、ファンタジー魔王的キャラや世紀末覇王的キャラを相手に無双するといった、内容のやつがあるの。


 ほら、たとえ武闘家だろうが大金持ちだろうが国家元首だろうが王様だろうが魔王だろうが、本源的に『頭の上がらない相手』って、いるじゃない?


 例えを挙げるとしたら、『母親』とか?


 人は──特に、男性なんかは、どうしても『母親』に対しては、強く出ることはできないからねw


 ただし、あくまでも『母親』というものは、個々人にとって別々の存在だから、『大阪のおばちゃん』あたりだとそのものズバリを異世界転生できるものの、『母親』を転生させる場合は、『母親という概念』──すなわち、『母親としての(我が子に対する問答無用の躾け等の)力を有するスキル』を、転生者に持たせることになるといったパターンが考えられるけど、対戦者等に対する威圧効果としては、本物の母親に比較して、かなり劣ることになってしまって、あまり意味が無いと思うの。



 ──そこで登場するのが、『女教師』というわけよ。



 特に小学生の頃の担任教師なんて、ほぼ母親と同義とも言えて、反抗期とほぼ重なる中高生時代に比べれば、その親愛度や畏敬の念は、非常に大きなものだと思われるわ。


 しかも小学校教師という輩は、「鉄は熱いうちに打て!」とばかりに、幼い頃から国家や経済界に対する『奴隷根性』を植え付けるために、高度かつ巧妙にプログラミングされた『洗脳テクニック』を有しており、『愛の鞭』や『チョーク連弾マシンガン』や『70年代居残り給食による、アレルギー食物無理やり摂取攻撃』等の、女教師ならではの無敵の戦闘スキルと併せれば、たとえ魔王といえども、肉体的にも精神的にも完全に破壊できて、その『真っさらな状態』においてしっかりと洗脳することによって、それ以降忠実なるしもべとして支配下に置くことは容易いでしょう。



 もちろん、何と言っても本作の作者の手によるものだから、一筋縄に行かない内容であるのは当然なんだけど、「『最強』って、こんな解釈の仕方もあるんだあ……」と、どなた様も『目から鱗』請け合いですので、どうぞお暇な時でも、御一読くださいませ♡

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