第53話、実は乙女『ゲーム』転生ではなく、『異世界』転生だったりして⁉

 ──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃんたち、こんにちは☆


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ♡



 前回第51話においては、本作の作者の十八番オハコである、『乙女ゲームの世界への転生』について、いきなり「ゲームの世界への転生なぞ、絶対に不可能である」なんて、下手するとこの分野ジャンル自体を全否定するようなことを言ってしまったけど、今回はそれを補足する意味で、実は『乙女ゲームの世界への転生』とは、『乙女ゲーム』そのものではなく、『乙女ゲームへの転生』であることについて、詳細に述べていこうと思うの。



 まず大前提として、現代日本や異世界や過去や未来の世界等々、ありとあらゆる世界に存在している、乙女ゲームを始めとするゲーム全般や、小説や漫画やアニメ等の、いわゆる創作物には、そこに描かれた物語そのままの『現実の世界』が、ちゃんと存在していることになっているの。


※ここで誤解がないように、第51話で述べたことに再び触れておきますが、これはけして、しょせんはデジタルデータや紙とインクのシミでしか無い、『ゲームの世界』や『小説や漫画の世界』ことではなくて、あくまでも『ゲームや小説や漫画やアニメ』世界が、必ず存在しているわけなの!


 しかもそれらの『世界』は、小説や漫画が生み出されてから後に、新たに生じるわけではなく、小説や漫画自体にはかかわらず、存在しているの。


 わかりやすい例を挙げれば、谷○流先生が『涼宮ハ○ヒの憂鬱』を考案する以前から、オリジナル作品そっくりな世界はおろか、二次創作そっくりな世界すらも、最初から全部存在していることになるの。



 たぶんほとんどすべての読者の皆様が、「そんな馬鹿な⁉」と思われたかも知れませんが、これまで本作『転生法』や、作者の他の作品において、量子論や集合的無意識論に則って、「ありとあらゆる世界は、最初からすべて揃って存在していて、途中で新たに生じたり、消滅したり、改変することは、絶対にあり得ない」ことについては、すでに完璧に証明していますので、『涼宮ハ○ヒの憂鬱』やその二次創作や乙女ゲームそっくりそのままの世界が、ちゃんと現実の世界として存在していることになるけど、一度解説した小難しい論理を繰り返すのも何ですので、今回はヒキオタニートのお兄ちゃんたちも大好きな『ギャルゲ』を例に取り上げて、簡単明瞭に解説することにするよ♡



 良く、「現実世界というものは、一瞬ごとに無限の選択肢があり得る選択を突き付けられ続ける、『ギャルゲ』のようなものである」と言われるけど、量子論や集合的無意識論等の見地からしても、まさにその通りだったりするの。


 つまり現実世界とは、選択肢から選択肢までの間隔が限りなく0に近い、まさしく『一瞬の時点』のみからなる『分岐シナリオ』みたいなものとなり、しかも各選択肢においては、いかなる異世界や過去や未来の世界や俗に言う並行世界パラレルワールドに、異世界転生やタイムトラベルを──ギャルゲで言えば『ルート分岐』できなくてはならないから、『一瞬の時点のみからなる分岐シナリオ』である世界は、歴史の開闢からその終焉まで、無限にあり得るすべてのタイプの世界がすべて揃って存在しなければならなくなるの。


 もしも、選択肢(=世界の分岐点)が無かったり、世界が一瞬だけの時点では無く、その(時間的)長さにばらつきがあり、常に一瞬ごとに別の世界に転移(=ルート分岐)できなかったり、ルート分岐先の世界が常に全部揃っていなかったら、


 この説を全面的に推薦している本作以外の、異世界転生作品及びタイムトラベル作品及びループ作品等々、何らかの形で別の世界に転移する作品は、論理上必ずしも成立しなくなってしまいます。


 なぜなら話は至極簡単で、小説家や漫画家の人たちって、自分の作品の中で勝手気ままに、いろいろなタイプの世界の、いろいろな時代に、異世界転生やタイムトラベルさせているから、世界のタイプや転移できる時代を制限すると、当然すべての作品をカバーできなくなってしまうわけなのよ。




 ──だからこそこの作品は、ぶっちゃけて言うと、『何でもアリ』ルールを作ってあげているのであり、自分の作品を論理的に否定されたくなかったら、黙って従いなさい!




 ……うふふ、ごめんなさいねえ、上から目線で語ってばかりいて。


 いきなり、「世界は『一瞬の時点』だけの分岐シナリオのようなものであり、最初から最後まですべて揃って存在しているのだ!」とか言われても、すぐには納得できないよね?


 やはり皆さんのようなあくまでも『常識的考えの持ち主』からすれば、世界というものには一定の歴史というかストーリーのようなものがあって、原作者が考案する以前から、作品自体にそっくりそのままの異世界どころか、二次創作そのものの異世界が存在するなんて言われても、理解できないよね?


 だから皆さんにもわかりやすく納得していただくために、この作品で言うところの『一瞬の時点としての世界』のことを、あえて『世界のパーツ』と呼称し、皆様が一般的に認識しておられる、『ちゃんと時間的な流れのある世界』のほうを、『世界』と呼ぶことにして、これからは解説していくことにするよ!



 この『世界のパーツ』って言うなれば、『ひらがな』や『アルファベット』のようなものと思っていただけば、理解しやすいかな。


 ほら、英文学だったら、同じアルファベットを使い分けるだけで、無限の作品=世界を生み出しているわけじゃない?


 つまり本作は、「『ひらがな』や『アルファベット』と言う文字の基本的パーツは、当然最初からすべてワンセット揃って存在しており、途中で変化したり消滅したりすることは無い」といった、極当たり前のことを言っているわけなの。



 それでね、更に話をわかりやすくするために簡略化すると、『涼宮ハ○ヒの憂鬱』という作品を創ることを、ひらがなを『すずみやはるひ』という、特定の文字の順番で並べることだとしましょう。


 とすると、ひらがなとは『世界のパーツ』でもあるんだから、『す』のパーツも、『ず』のパーツも、『み』のパーツも、『や』のパーツも、『は』のパーツも、『る』のパーツも、『ひ』のパーツも、もちろん総体としてはちゃんと最初から存在しており、よって『涼宮ハ○ヒの憂鬱』そっくりそのままの世界も、何と原作者の谷○流先生が考案する以前から存在することになるわけなの。


 ……え、わかりにくかったって?


 いやだあ、簡単な足し算の問題じゃない?


 私はただ、「『す』の世界も、『ず』の世界も、『み』の世界も、『や』の世界も、『は』の世界も、『る』の世界も、『ひ』の世界も、すべて存在しているのなら、その集合体である、『すずみやはるひ』の世界も存在しているのだ」って、言っているだけなのよ?


 ねえ、簡単明瞭でしょう?



 つまり、量子論や集合的無意識論や、何よりも『ギャルゲ論』に基づけば、『一瞬の時点のみである世界のパーツ』は、無限に存在していることが実証されているのであり、しかも『無限』と言うことは『すべて』なのだからして、世界のパーツはあらゆる『タイプ』が揃っていることになり、その組み合わせによって創造できない世界は存在し得ないから、制作者が実際に作品を創る以前に、乙女ゲームであろうが超人気SFライトノベルであろうが、それとそっくりそのままの世界も、最初からちゃんと存在することになるわけなのよ。



 言わば、「どんな料理でも作れるように、食材は無限に用意されていて、後は具体的な『レシピ』をこしらえてもらうだけ」といった場面を、イメージしてもらえばいいかしら。


 つまり乙女ゲームの制作者や谷○流先生は、それぞれの『作品』という『レシピ』を明示したようなもので、そして一度ひとたび明示すればそのレシピは原則的に万人の知るところとなり、作品自体だけでなく、乙女ゲームや『涼宮ハ○ヒの憂鬱』そっくりそのままの世界も、既知の存在となってしまうわけなの。


 そしてまさに、谷○流先生以外の人の手によって、『すずみやはるひ』というレシピを『はるひすずみや』などといったレシピに改変したものこそが、いわゆる二次創作に当たり、当然それとそっくりそのままの世界も既知のものとなるといった次第なの。


 言わばこれぞ、量子論等で言うところの『観測理論』そのものと言えて、誰かに観測されて初めてその存在を知られるものの、別にその瞬間存在し始めたわけではなく、観測される以前から存在していたことがってところがミソなのよ。



 ……長々と述べてきたけど、要は、「『乙女ゲーム転生』とは、けして乙女ゲームそのものではなく、『乙女ゲームそっくりそのままの異世界』へと転生することなのだ」と言うことなのであって、これから『乙女ゲーム』作品を書く予定の作家様方は、その辺のところをお間違えの無きよう、くれぐれもお願いするね♡

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る