第37話、TS転生。(補足説明)
前回TS転生について、人類にとっての『
──肉体こそが、人々の『
つまりそれは、異世界において転生した時、性別的に女性となっていた場合には、たとえ前世である現代日本においては男性であったとしても、もはや現時点では女性以外の何者でもないということなのであり、そこには『肉体的』にはもちろん、『精神的』にも、『男性であること』なぞけしてあり得ないのだ。
転生者等にとって、『自分は精神的には男なのだ』とする唯一の根拠は、『現代日本人としての前世の記憶』のみであるが、何度も何度も言うように、『前世の記憶』なんてまさしく『夢の記憶』のようなあやふやなものに過ぎず、既存の無数の異世界転生系のWeb小説みたいに、いつまでもはっきりくっきり明瞭に覚えておれるものなぞではなく、三日もたてば綺麗さっぱり忘れ去ってしまう類いのものに過ぎないのだ。
つまり、「……俺って、以前は男だったよな?」なんて寝ぼけたことを抜かしておられるのも最初のうちだけで、三日もたてば「おほほほほ、わたくしは生まれつき、女に決まっているざます」という、至極正常なる認識へと切り替わることになるでしょう。
「肉体こそが、人々の『
Web小説家の皆様は、とにかくせめて一度だけでもいいから、自ら生み出したTS主人公の身になってみればいいのだ。
果たしてあなたは、1年365日1日24時間ずっと、女性の身体で女性の生理にかかずらっていて、『男性としての前世の自分』を維持していけるとでも思っているのですか?
何せ、周囲がすべてTS主人公のことを女性と見なしており、主人公自身も外面だけは完全に女性として振る舞っていて、内面だけは男性で居続けるなんて、あまりにも無理な話だし、事実多くの作品が途中で挫折して、ある時点から主人公を『女性そのもの』として描き始める始末であった。
確かにTS主人公は、非常にユニークな存在であり、あわよくば、『擬似的百合』や『擬似的BL』的展開も望めるが、結局は小説のような、特に語り手を担う主人公キャラ等を『内面』を中心に描写することを常とする、文字媒体の中だけに存在し得る『いびつ極まる徒花的存在』に過ぎず、長期連載を続けるほどに矛盾点が噴出してくるだけですので、安易な考えによる『TS作品』の乱発は、厳にお慎みになるよう、よろしくお願いいたします。
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