俺の魔王討伐ライフ

柊 紅蓮

第1話 転生・1

どうしてこうなった。

俺は普通に学校に行って、普通に授業受けて、普通に帰ってたはずだ。

なのになんで今、


俺は道路の真ん中に倒れているんだ。



周りがギャーギャーうるさい。


もしかして俺…車に轢かれた?



たしかにトラック突っ込んできたけど…


あ、俺もしかしてぼーっとしてて、気づいてなかったのか。


鈍感だなぁ俺。


って、そんなこと思ってる場合じゃねえよ。


どうすんだよ、これ。


俺死ぬじゃん。



まだ高校生だぞ。これからだぞ、人生は。



だけど、体の自由はどんどん奪われていく。


体の温もりもどんどん失われていってる気がする。


周りの音もどんどん遠くなっていく。






そうして俺は16年間の短い人生に幕を閉じた。








ように思えた。








気づいたら、目の前に草っ原が見えた。


いやいやまてまて、俺の知ってる天国となんか違うぞ。


天国ってもっとこう…お花畑じゃないのか?


一面原っぱって。いや目には優しいけどさ。色味なくね?




というか、死んで天国行っても体の感覚ってあるのか?


なんか草のフサフサ感、感じるし。


でも、俺死んだよなぁ…




まてよ…まさか俺、生きてたりする?と、とにかく、状況を整理しなきゃ。


手足の感覚もある。俺は難なく立ち上がることができた。


どこを見渡しても草、草、草。


草しかねぇじゃん。池とかないのかよ。



とにかく今は、飲み物が欲しい。


俺は飲み物を探して、歩き回ることにした。



少し歩くと、小さな池を発見した。


なんだ、池あんじゃん。


水分補給するために、池に近づいて、かがんで池をのぞいてみたら…


え、これ俺?別人じゃん。


純日本人だった俺の真っ黒な髪は少し暗めの茶髪に変化し、同じく真っ黒だった瞳は真っ赤な瞳になっていた。


顔も平凡な感じから、一般的に見てイケメンの部類に入るくらいの端正な感じになっていた。


劇的に変化しすぎだろ。目とかアニメでしか見たことないような色してんぞ…




ん?まてよ…こういうの漫画で読んだことある…


主人公が死んで、異世界に別人で転生する話…



ってことは俺…まさか転生した?


つかあれ現実の話なの?嘘だろ?



水分補給もそこそこに、俺は再び歩き出すことにした。


もし本当に転生したのならば、この世界についてよく知る必要がある。


まずは、人探しだ。


そう、意気込んで歩き出した直後だった。


後ろから唸り声を聞いたのは。

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