インタビュー 第一回

橋土井 紫

終末(体験版) 【その1】

大原 聡オオハラ サトシ


16歳 男性


高校生






---録音開始---




あ。もうこれ録音してるんですか。


そうですね、えーっと、どこから話そうかな。


じゃあ、えっと。まず僕の趣味を話しますね。




僕はの趣味はゲームです。ええ、ゲーム。


といっても、最近のゲームはあまりやらないんです。


レトロゲー、って言えばいいんですかね。十数年前のゲームを中古屋で買ってきて、それを遊ぶのが好きなんです。


ああ、はい。そんな感じのヤツです。 ん、ああ。それもやりました。




で、いつも学校終わったら中古ゲーム屋によく行くんですよ。ええ、お小遣いもらった後とか。はい。


まあ、ゲーム屋というか、オジサンが一人でやってる古本屋があって、その店の一区画にゲームが置いてあるって感じなんですけど。ええ。


こういう店、結構掘り出し物多いんですよね。レアなのが相場より安く買えたりとか。


あっ、そういえばこないだプレミアもんが相場の半額ぐらいで置いてあって・・・




あ、関係ないですか。すいません。続けますね。






んで、7月くらいかな、学校が早く終わったしお小遣いも貰ったんで行ったんですよ。


どのゲームにしようかなー、とか思ったら、なんか変なパッケージ見つけて。はい。


えっと、その店ってパッケージを本棚に本みたいに立てて並べてんですけど、真っ白なパッケージにゴシック体で「終末(体験版)」って書いてあるだけのヤツがあって。 え?ああ。えっと、「終わる」と「すえ」で「終末」で、括弧つき「体験版」括弧閉じ、です。




で、えーっと、手に取ったんですけど。表も裏も「終末(体験版)」としか書いてないんですよ。僕気になっちゃって。知らないゲームだったし、値段も500円だったし。これともう1個ゲーム買ってレジに行ったんですよ。え?あ、ああ。もう1個ですか、もう1個・・・えーっと・・・。




ごめんなさい、あんまり覚えてないです。終末のインパクト強くって。






えーっと、どこまで話したっけ。ああ、そうか。レジまで行ったんですよね。


で、レジでオジサンにその2個出したらオジサンが、


「お兄さん、いいもの見つけるじゃないか。これ面白いよ」って言ったんです。ええ。オジサンと会話するのは初めてでしたね。はい。






その後急いで家に帰って、終末を開けました。


まあパッケージの段階から分かってたんですけど、携帯ゲーム用のカセットが入ってました。


で、そのゲーム本体に入れて・・・ え?ああ他にですか。説明書とかも何も入ってなかったな。


プラスチックのケースにそのカセットが入ってるくらいでしたね。ええ。




---録音一時停止---


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