2-2-C1 拠点 その1



 俺が龍との死闘で負った傷は、ちょうど手の空いていた近衛旅団の医官に現地で治してもらった。治療中、最後の土塊を操っていたのが子供の内の一人だと知った。二歳年上の三人に混じって遊んでいた天土屋伽あまつち やとぎ君、彼は最近になって異能を自覚した変異者ジェネレイターで、傍観者――自称「風来坊」の言葉で異能の存在を仲間内だけの秘密にしていたらしい。

 それで、俺が「どうして戻って助けてくれたのか?」と聞くと、「えっと……お姉さんには『逃げろ』って言われたけど、りょう君が『お前ならイケるだろ! ゲームみたいに!』って……」とのこと。

 うーん、このゲーム脳。

 しかし、今回はそれが功を奏した形である、あまり馬鹿にも出来ない。

 そうして、切り落とされた両足をすぐに取り戻した訳だが、医官のずい鉤素はりすさんの《逆行》ほど便利ではない様で、痛みと若干のぎこちなさは残った。けれども、有るだけ無いよりマシである。

 その日は以降を休養に回し、天土あまつち君の資料を纏める事務作業は翌日、翌々日に持ち越した。風来坊の方は近衛旅団が受け持って対応してくれるらしい。仕事が減って嬉しいよ。いや本当に。

 ところで、迅速に救難信号を出したというのに妙に援軍が遅れた理由だが、蕃神信仰の襲撃は同時多発的なものだったらしく、別口の対応に二宇さんが奔走していた所為だった。

 ちなみに、俺が仕留めた龍以外の戦果は、宮城支部出向組(香椎さんと岸さん)が二、近衛旅団が三、しかし何れも死んでしまっている為、情報はあまり引き出せそうにない。

 翌々日、慣れないデスクワークをこなし、どうにか資料を纏め上げた俺は、アポを取っておいた天土あまつち家を一人で訪問した。

 俺は、この立派な門構えを前にするまですっかり忘れていたのだが、天土あまつち家に訪れるのはこれで二度目である。覚えているだろうか? 初めて望月さんを連れ立って現場に急行した後に行った『一次調査』の“二件目”がそれだ。


「――こんにちは、一昨々日にもお伺いしました、第三次元宇宙機関の四藏匡人と申す者です。お子さんから話は聞いていると思いますが――」


 今回はリビングにまでお邪魔して、天土あまつち君とその両親に対して資料を交えた説明をし、記憶と意識の改竄にも同意を頂いた(これは同意がなくてもするが、一応)。当人である天土あまつち君も協力的だったので、30分も掛けずに必要な事は話し終わった。その後は、ちょっとした質疑応答をして、お開き。俺は東京支部に直帰した。付近の一次調査は既に終えており、追加もなかったからだ。


「ただいま戻りました~」


 二宇さんの手を借りて東京支部に降り立つと、パラ、パラとした返事が上がった。昨日の襲撃の影響か朝には居なかった香椎さんと岸さんもきている様が、二人とも手元に忙しい様子なので、俺は挨拶もそこそこに邪魔をしないよう静かに席に付いた。

 部屋には、一人の欠けもなく東京支部のREDが全員揃っている。ホワイトボードを見ると、俺が緊急で駆り出されるのは随分と先の事になるだろう事が分かった。

 この調子なら、今日は他の人の手伝いでもして、適当にゆっくり過ごせるな。

 しかし、そう思った矢先、コンコンと軽い叩扉の音が響いた。俺たちは手元から顔を上げて、見合わせる。

 珍しい事もあるものだ、この部屋に誰かが尋ねてくるなんて。と、誰しもがそんな風に思ったのだろう、雁首揃えて奇妙な顔をしている。

 一体、どんな来客だろう。事務員、交渉員、お偉いさん、外部の者? 後は……ああ、近衛旅団も有り得るな。幾つか候補を挙げてみたが、ひとつ確かなのは「天海では無さそうだ」という事だ。天海なら叩扉なんてしないし、何なら扉を介する必要もなく床やら壁やら天井から湧き水のように入ってくる。

 故に、俺たちは「天海以外」だろうと自信を持って予想していたのだが、灰崎さんの眠そうな「どうぞ」という応答の後に入室して来たのは、紛れもない天海の分体だった。その背後には近衛旅団第三歩兵小隊に属する纏骸者三人が続く。用件は、昨日の龍が持っていた『探知機レーダー』にまつわる事だった。


「彼の者が所持していた『探知機レーダー』を解析した結果、拠点と思しき位置情報を二つ入手した。我々MCG機関と近衛旅団は、入手した位置情報へ直ちに侵攻する方針で意見を統一した。香椎、神辺、四藏、望月――以上の四名は第三歩兵小隊の指揮下に入れ。灰崎、岸、六道の三名は第四歩兵小隊の指揮下に入る予定だが、向こうの到着が遅れている。連絡を待て」


 天海は、有無を言わさぬ口調で「以上だ」と、一息に通達を切り上げた。そして、続きを背後にいた小隊長、レヴィ少尉に引き継ぎ、さっさと床にとけ消えてしまった。

 せわしない奴。しかし、情報の把握は出来た。未だ疲労は抜けていないが……「嫌です」と言う訳にもいかない。そんな権限はない。

 俺は、指名された他の三人と共に渋々と立ち上がった。


「今、二宇チャンガ単身デ斥候トシテ諜報ニ行ッテルノ。それガ暫ク掛カルト思ウシ、君達モ準備ガアルダロウカラ……三十分後マデニ九階ニ集合! ッテ、感ジデドウ?」


 指揮権を持つレヴィ少尉の提案じみた指示に、指名された四人の中で最も年長、かつ先輩である香椎さんが代表して同意した。

 というか、二宇さんは俺たちの送迎だけでなく諜報とかそういう事もしているのか。そういえば、いま思い出したが、彼女の肩書は諜報部隊の「隊長」であった。むしろ、そっちが本業なのか。普段は便利な移動手段としてしか関わらないものだから忘れていた。

 レヴィ少尉は、「オ先ニ~!」と、軽やかなステップを踏みながら第三歩兵小隊を引き連れて颯爽と去っていった。本当に軍人らしくない人だな……纏骸者だから変人なのか、変人だけが纏骸者になれるのか。いや、文化の違いかもしれない。

 そんな訳で、残された俺たちは準備に入ったが、もともと駆り出される事の多い立場である、必要な荷物は既に纏めてあったので、その確認をした程度で準備は完了した。待ち時間を持て余したので、小便だけ済ませてサッサと九階に向かった。

 小隊員の人に通された詰所にてパイプ椅子に座し、黙して二宇さんの帰りを待っていると、遠くの方から緊張感のない大声が聞こえてきた。


「えっ、『十二次元宇宙論』って、こっちの地球にもあるの!?」

「ハ、ハイ、萌禍もえかサン……小賢しい人間の考えた、胡散臭い、唯の仮説に過ぎませんが……」


 見ると、俺からは少し離れたところで、望月さんと萌禍……草部萌禍くさかべ もえか上級曹長が話していた。


「えぇ~! でもでも、『十二次元宇宙論』って向こうでは『纏骸皇』も支持してるって説だよ! そんな事あるぅ!? ……これが世界線の収束ってヤツなのかッ」


 戦闘前だというのに、近衛の萌禍とやらは、絶えずハイテンションを維持してキャイキャイ叫ぶ。その言葉に望月さんがこたえて、彼女らの会話は「やいのやいの」と指数関数的に盛り上がってゆく。

 それも必然か。宇宙に関する「どーだこーだ」を語らせたら、交渉部レッドチーム望月要人もちづき かなめ以上の適任はいない。なんてったって、引き出しの豊富さが違う。薬によって「宇宙」を飛び越え、『外宇宙アウター・スペース』と感応、神秘的合一ウニオ・ミスティカを果たしたと嘯く人だもの。

 そして、話が宗教臭くなってくるとこれまた強いのが、その隣に座る神辺梵天王かんなべ ブラフマーである。彼女の参戦によって会話は更に弾んだ。彼女も、半生の大半を形而上的な存在に捧げた――というより、家庭の事情で人である。

 古来、人の関心は専ら『世界の構造』に向けられていた(宇宙論)。それ故に、彼女はその辺りの知識にも明るいのだ。

 薬によって正気(?)を取り戻しつつある望月さんだが、彼女が偶に語る偏屈で突飛な宇宙論はヤク中の誇大妄想が過分に入り込んでいて、敢えて言うなら“危ない宗教っぽい”。その点で神辺さんとは相性がいいのか、最近、神辺さんと望月さんの距離は目に見えて縮まっている。

 それを見て不思議に思うのは、以前の頽廃状態時から同室で世話になっているらしい六道さんとはサッパリ疎遠な事だ。確かに、六道さんは一見してとっつきにくいし、実際、印象そのままにヤベー奴だが、慣れれば愉快な変人として付き合えなくもない。食人癖は問題だが、欲求に負けて手を出す様な状態ならMCGによるロックが掛かっている事だろう。だというのに、望月さんと六道さんの関係には、気難しい反抗期の親子もかくやといった気まずさを感じる。

 神辺さんだって別段、身綺麗ではない。人当たりは良いが……結局、そこのところ『コミュニケーション能力の差』なのだろうか。思えば、死体(肉塊)を見て嘔吐した、という一件から距離が近くなった様にも感じる。

 流石というか、弱ってる人に取り入るのは上手い訳だ……。

 あまりに暇すぎたので脳内でフザケていると、レヴィ少尉と話していた香椎さんが俺の隣のパイプ椅子に戻ってきた。てっきり、口説きにいったのだとばかり思っていたが、真面目に情報を聞き出して来たらしい。

 レヴィ少尉曰く、『探知機レーダー』とは別地球αの使者だけに授けられた『纏骸皇』の発明であり、それを蕃神信仰が所持している事など合ってはならない。入手した蕃神信仰の『探知機レーダー』を分析した所、多少の改造が施されてはいたが近衛旅団が所持していたものと“同型”であり、そればかりか近衛旅団がMCGに持ち込んだを参照していた。(『探知機レーダー』には纏骸皇によるブラックボックスが多く、特定の端末をデータベースから弾く、といった様な器用な事は出来ないそうだ)。今は、MCG機関と近衛旅団、双方の技術者を中心に『不届き者』を洗い出している所……らしい。

 確かに、俺たちの様な下っ端が蕃神信仰に横流しするのは不可能。配布された探知機を失くしたらすぐにバレるし、独占的に探知機を扱っていた技術者に疑惑の目を向けるのは当然の帰結だ。

 その話を聞き終えた所で、ちょうど、二宇さんが現れた。正確に言うと、認識できるようになった。しかし、長身を折り曲げてレヴィ少尉に耳打ちをしていた後、すぐにまた認識できなくなった。


「整列――!」


 レヴィ少尉が合図を出して、萌禍の兄である草部仍倫くさかべ なおみち准尉が号令を掛けると、さっきまで萌禍に負けず劣らず割とグダグダとしていた近衛旅団の面々が俊敏な動きで列を作る。俺たちも、なんとなく流れで神妙な顔を作ってその横に並んだ。


「連中、経緯ハ分カリマセンガ、同士討チヲ始メテイル様デス! コレハ好機! 横合イカラ漁夫ノ利ヲ狙イマス! 生ケ捕リガ出来レバ上々デスガ……現場判断ヲ優先シ、生死ハ問イマセン。全テヲメッシマショウ!」


 オウ! と、近衛旅団の面々が、敬礼をしながら野太い返事をあげた。それにあわせて、一応、俺も小さく返事しておく。


「ソレデハ……二宇チャン、ヨロシク!」


 レヴィ少尉のフランクな呼び掛けに応じて、再度、認識できるようになった二宇さんが、俺と香椎さんの手を取った。

 なるほど。

 抵抗もせず、されるがままに、二宇さんの帽子から垂れる黒布の向こうを見つめ返していると、視界が暗転した。意識がブチッと途切れ、瞬時にまた繋がった時、俺は鬱蒼と茂る寂寞せきばくの中に居た。周囲に人気は無く、代わりに見覚えのない形の樹木たちが、限りなく平坦に開けた地に間隔をあけて矗立ちくりゅうしていた。

 およそ日本とは思えない風景、空調の行き届いていた東京支部とは趣を異にする自然の空気感に、否応なく緊張が高まってゆく。


「四藏くん、見て……」


 香椎さんが指さした大きな倒木の先には掘っ立て小屋があった。薄汚れてはいるが見て分かる様な劣化も崩壊ほつれもなく、風雨を凌ぐ程度は問題ないだろうという小屋。

 果たして、あれが『蕃神信仰』の拠点なのだろうか。周囲を見ても、他にこれはという候補も見当たらなかった為、俺は隣の香椎さんと共に息を殺して倒木の影に入り、小屋を見つめた。

 その間にも、二宇さんによって続々と二名ずつ運ばれて来て、小屋を取り囲むように点々と配置されてゆく。

 ミーティングも何も無かったので流れが良く分からないが、このまま指示を待っていれば良いのだろうか。俺たちは部外者であるし、連携やらは期待されていないだろうが……。

 勿論、言われた通りやるつもりだ。しかし、もし命が危ないようなら独断専行も辞さない。香椎さんと、おそらく神辺さんも同意見だろう。

 不安定な内心を持て余しつつ小屋を眺めていると、ふと……違和感を抱いた。二宇さんの報告が正しければ、彼等は『同士討ち』をしている筈。だのに、さっきからのだ。小屋と、その周囲をくまなく見回すが、戦闘があったとおぼしき痕跡などは窺えない。

 どういう事だ? 現在、『同士討ち』とやらが落ち着いているのは間違いない様だが――と、もっと小屋を良く見ようと倒木の影から身を乗り出しかけた、その時だった。


 ……ぴちゃ……ぴちゃ……。


 開放的な野外にあってコンクリートの地下室を思わせる静寂の奥に、微かな水音が隠れていた。その「水音」というのは、蛇口から垂れる水滴や、湧水、小川のせせらぎなんかの環境音では決してなく、知性を持った獣がお行儀よく餌を貪っているような、そんな音……。

 彼方此方あちこちに怪訝な表情が見える。彼等も皆、水音に気付いているのだろう。


 ……ぴちゃ……ぴちゃ……ぴ……っ。


 不意に水音が途切れたかと思うと、今度は、ト、トトンと足音らしき音が聞こえてきた。不規則で断続的だが、間隔からして一人分だ。

 足音は段々と扉に近付いていって――止まる。

 誰もが、示し合わせた様に息を呑み、物陰に身を隠した。

 すると、緩やかな開扉の音がした。俺は、懐から取り出した手鏡を、倒木の下にある隙間から少しだけ突き出してそっと小屋の様子をうかがい、すぐに見なければ良かったと後悔した。

 明かりの付いていない部屋内から、ヨタ……ヨタ……と縺れる千鳥足で歩み出て来たそれの姿を見て、俺は言い知れぬ嫌悪と恐怖の情を植え付けられた。

 血と臓物に塗れたそれは、致命的なまでに有すべき部位を欠き、欠くべき部位を有していた。

 過不足の両ベクトルに万遍なく振り切れた様な、イビツな造形。

 頭部らしき出っ張りは禿、腕らしきは少、足らしきは多、何れも収まるべき場所に収まらず、それぞれが思うがまま奔放に蠢いている。

 昔、岸さんが得意げにひけらかしていた薀蓄が浮かぶ。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」――孔子の言葉だそうだ。俺は今、その言葉の表裏に込められた含蓄を真に理解した。

 だが、それでも……「怪物」と称すべき域に至っていたとしても、それはどうしようもなく『人』だった。到底、生命であるのかすらも不確かな見た目でありながら、『人』以外の素体の気配を欠片も見て取れなかった。

 余りに冒涜的。けれども、俺はその何処かに「神聖さ」を感じていた。こうまで歪みながら、なおも生きている、動いている。命という概念を穢すようで、同時に尊ぶようで……是非が全く判然とせぬ生き様が最高に気色わるい。

 凍り付いた緊張の中、それが小屋の出口下部にあった出っ張りを乗り越えようとして、転倒した。その瞬間、俺は込み上げて来る“欲望”に抵抗せねばならなかった。それの頭部が地面に程近くなった事で、倒木の下に翳していた手鏡を通して、目が合ってしまったのだ。

 異国を通り越し、まるで異界の光景である。ポツン――と、森の中にひとつの、ひとりの異物が存在するだけで、こうも、こうも……。

 気が付けば、俺は銃を構えて倒木の影から飛び出していた。しかし、肉眼でそれを捉えた瞬間、引き金に掛けた人差し指がピタリと動かなくなってしまった。

 その時、遠くで誰かが「撃て!」と叫んだような気がした。相前後して、近衛旅団の制式装備である9mm機関拳銃のパラベラム弾が、不可避の壁となってそれに殺到する。


「脳を破壊せよ!」


 また、誰かの指示が飛ぶ。それにより、俺以外の者達によって放たれた銃弾が、徐々にそれの頭部付近に収束し始めた。小屋の周囲180°から降り注ぐ集中砲火。それのヴィジュアルが更に崩壊の一途を辿ってゆく様を、俺はただ呆然と見つめる。

 急激に死にゆくそれは、何十、何百、何千という鉛を受けながら、何時までも、何時までも、しぶとく生きて、蠢いていて……だから、俺は最後まで見届ける事もできず目を逸らした。

 奇しくも、俺が銃撃の口火を切った形である。

 だが、俺は一発も撃たなかった、否、撃てなかった。それを殺したくなかったから。でも、何故だろう。それが攻撃らしい攻撃をしていない、つまり「正当防衛」でないからだろうか。

 ……いや、きっと、似ていたからだ。

 悟った、解した、至った……認めた。本当は最初から知っていた。

 この感情の根源は、俺の脳裏に焼き付いている、アレだ。

 鏡越しに見た、それの目、目付き。

 アレは、どうしようもなく、


 をしていた。


 ――その後、それの死亡と小屋内に転がる複数の死体を発見した後、俺は続く現地での調査をせずに早退けさせてもらった。理由は「一昨日の負傷の影響で体力が戻っていない為」……とか何とか言った様な気がする。別に何でもよかった。この場から逃れられるのなら、『嘘』でも、なんでも。

 二宇さんに連れられて東京支部の部屋に戻ると、既に皆、出払っていた。天海が言っていたもうひとつの拠点に向かったのだろう。

 俺はホワイトボードに「体調不良・早退け」の旨を書き記し、自室に戻って、ベッドに倒れ込んだ。

 酷く、投げやりな気分だった。

 そのまま、ぼんやりと何の気なしに白くて清潔な天井を見上げていると、ここ最近の疲れもあってか強烈な睡魔に襲われた。

 抵抗する気力もなく、俺はゆっくりと目を閉じた。頭の隅っこで目覚ましを気にしながら、その数瞬――感覚的には――の後、けたたましいサイレンに叩き起こされるとも知らずに。

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