第3話 社~やしろ~
本来ならば、冷たい六花が大小様々光を放ち舞う。
くるくる舞う六花の中を、大切に抱えた男の子と共に、白雪様は99個並んだ鳥居の道を唄いながら戻る。
♪ 通りゃんせ~ 通りゃんせ
ここはどこの ほそみちじゃ~
天神様の ほそみちじゃ~ ♪
唄と共に、狐日が灯って道を照らす。その先に見えるのは、白雪様の住まう社。
現世の小さなものではなく、現世の大きなもの。
その大きさは、まるまる北海道が入る位。
初めての者は、必ず迷子の洗礼を受ける。
一応。大きな円となっており、中央から4っつに分かれた通路が伸びているので、迷った場合、この道を探すことが解決において重要となるため、しっかりと叩き込まれる。
①中央に白雪様の部屋。そして、薬草と果実と水の湧く池があり、②白雪様のお世話等をする女官長等の部屋が囲み、果樹園、③何かあった時の避難所、薬草園、④宴会場と花畑、⑤ここに住んでいる人の住処に動物たちの牧場、⑥下働きの台所や洗濯場やお風呂などがある所、⑦護衛たちが詰める所とその為に必要とする武器を管理、⑧一番外の外円に当たるここは、様々の外の世界につながる扉が無数にある。
そんな「外円」と呼ばれる無数の扉から、お客様がやってくる。今回の男の子は、白雪様自ら連れてこられたが、偶に恐ろしい生き物が来ることがある。そんな時は、⑦の円にいる護衛が対処する。
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