Nightmare Snicky Land ~ナイトメアスニッキーランド~
小鳥 遊(ことり ゆう)
nightmareⅠ ~Fancy Parade~
night1:たのしいテーマパーク
僕はテーマパークが好きだ。いつものつまらない毎日を忘れ去らせてくれるし、まるで異世界へと連れ去ってくれるような感覚は、病みつきになるのには時間がかからなかった。
だけど、最近困ったことにそのテーマパークさえ行かなくなったのだ。なんというか、変わらない世界観は安心はあるが変わらないものへの執着は好きじゃなかった。年のせいかマンネリ化とも思ってしまう。そんなある時、自堕落にパソコンでなにか刺激的なものがないか調べていた時にある文言が目に入った。
『真夜中のテーマパークに興味はありませんか?』
ひたすら調べているうちにいつの間にか裏サイトでも開いたのであろうか。けど、元テーマパーク好きの僕としてはそんなウソ臭いサイトに興味本位で開いてしまった。
サイトにはおそらくテーマパークの写真と共に真夜中で探索する夢のエンターテイメントという風に書かれていた。さらにはそのテーマパークは人数制限があり少人数で楽しめるとあって、夢のテーマパーク最大の弱点である人ごみを改善できるのだから、行くしかないなと直感的に感じた。僕は募集要項にしたがい名前「柊(ひいらぎ)蓮」や住所、電話番号などを入力して応募フォームに送信した。
「これでよしっと。」
ホッと一息つきつつも内心はそのテーマパークへの興味と不安感でいっぱいだった。その日はあまり寝付けなかった。
それから数日して自分のパソコンにメールが届いた。例のサイトの運営からだった。メールアドレスで分かったのだがただ、奇妙なのは件名もなしにURLだけが本文に乗せられていただけだった。URLをクリックする。緊張と不安が募る。開いた。
そこには、黒いホームページにでかでかと
『ようこそ、スニッキーランドへ』
と書かれていた。これで当選したのだと感じた。不安は吹っ切れて一気に喜びに満ちた。ぼくは一応学生なのだが運よく長期休暇の期間だった。そのためなんの憂いもためらいもなく満喫する事が出来ると一人パソコンの前で小躍りしていた。
「あれ? なんだか眠くなってきたなぁ・・・ う、うぅ、」バタッ
ぼくは急に眠たくてしかたなくなってしまった。そして、床で倒れこむように寝た。ここからは本当に記憶にないが、うつろながら覚えているのは、誰かがぼくを背中に背負って何かに運び入れたこと、そしてちょっと薄目ながらに見た景色は乗り物と夜の道。この世のものかは分からないけど、夢でも見てるのだろうと思った。
次に起きたのは冷たく硬い椅子の上だった。そしてなぜか手首と足首が革製バンドで拘束されていた。辺りを見渡すがとても薄暗くて分からない。他にも人のうめき声がする。他にもいるのだろうか。そう思っていると目線の先にスポットが当てられ、ステージが浮かび上がる。そしてステージにはいかにも今死にそうな顔の人間(?)がめかしこんだ姿で立っていた。
「こんばんわ。ゲストの皆さん、まずは昨晩のご無礼をお許しください。みなさんとこのパークの秘密を守るためなのです。」
その人は深々と謝罪した。謝罪はいいのだが、ここはどこなのか?その人が何者なのかその興味が先にあった。ぼくと同じように拘束されている人たちは顔は見えなかったが彼に質問や怒号を放っていた。それにこたえるように彼は
「私はアンバサダー。そしてここは入れば最後! 不可思議ワンダーランド、スニッキーランド! ようこそ、人間(ゲスト)のみなさん・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます