ヘイセイの怪物

水沢洸

プロローグ

 平成最後の夏だからって、なにかが起こるわけでもない。


 それはつい最近に過ぎ去った、春を思えばわかるだろう。


 来年で平成が終わるからって、世界が滅びるわけでもない。


 それは昭和が終わっても、変わらぬ日々が続いてることからわかるだろう。


 そうやって、ダラダラと、ただ漠然と生きてきた。


 悲観することはなく、楽観的にもなれず、感動がなければ、感情的になることもない。


 そうやって、グダグダと、ただ漫然と生きてきた。


 まさかあんなことになるだなんて、気づくことすらできないままに――

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