それじゃあ、お先に
えー、記録者、如月。
吐き気と熱――。
それと声がずっと聞こえてる。
アイツらめ、わたしの身体に何をしたんだ。
いずれはしなければならないと思ってはいたのだけど、こんな形になるとはね。
いったいいつだ。
思い当たるフシは……、ありすぎるな。
わたしの中にあの肉の塊がいると思うと虫酸が走る。
でも、どこか期待というか喜びの感情さえ湧きつつあるのです。
それが堪らなく気持ちが悪い。
これは自分の落ち度ではありますが、この問題が自分に降りかかったということはこの状況下では不幸中の幸いと言うべきなのかもしれません。
研究者足る者、自らの体を実験台にするということに多少なりとも憧れがあるものですから。
えーと。
――――。
すみません、一旦切ります。
――――。
――――――――。
……グスッ……。
録音再開。
はい。
えっと。
もう必要はないと思うけど、報告書はある程度まとめておきましたから。
サンプルもすべて責任を持って処理しておきます。
どうか皆さん健闘を祈ります。
それじゃあ、お先に失礼します。
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