信じている

この記録を見つけたとすると私の後任はよほど仕事熱心のようだ。

まずはご愁傷様と言っておこうか。

君も察している通り、本部はここに配属された部隊を、その指揮官も含めて、つまりは私たちをザイゴートの実験材料にしている。


もちろん私は黙って大人しくヤツらに喰われてやる気などなかったわけだが。

君もそうだろう。


友人に頼んで、制限兵器を一つ用意してもらった。

これを使えばヤツらの女王を確実に殺し尽くせる。

場所は管理棟から北へ進んだところに15階建の集合住宅があると思うが、火災跡の残る焼けたマンションだ、現地に行けば一目でわかる。

そして、その隣に赤い屋根の民家がある。

〝福島〟と表札の出ている家だ。

その地下室に錠付きのハードケースがある。

その中だ。

鍵は管理人室の金庫の中にある。

権限上君にしか入れない部屋だ。

金庫のパスは11–83-46-31-94-26だ。


それと、一緒に装備保管庫の高レベル装備に本部からの許可なしでアクセスできるようにするパスも入れてある。


うまく役立ててくれ。


君にあとのことをすべて押し付けるようで申し訳ないが、私には私でやっておかなければならないことがあるんでね。

恨んでくれて構わない、君たちにはその権利がある。


ただ、君には期待している。

会ったこともないわけだが、

私は期待したいし、

君も後押しが欲しいのかもしれない。

そうであってくれると助かる。


私は、

君と、

私たちの部隊を信じている。

つまりはそういうことだよ。

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