何かしらの番狂わせを用意しないとですね

なぜ、本部がアレのことをザイゴートと呼んでいるのか。

そういうことだった。

つまりは、本部は最初からアレがどういうものか知っていたということです。

合成人間は厳密には人間ではない。

だからヤツらにとっての毒だと。

はじめのうちは毒として機能していたのでしょう。

でも現実は違った。

ヤツらは人間に対して悪性を持つのではなく、

人間のことを知っていたから、人間のことを強い弱者だと理解していたから選んだにすぎない。

合成人間だろうが、ヤツらは一度知ってしまえば、容易く冒せるのだ。

ザイゴートの脅威は高い不死性ではなく、その学習能力にあります。

いまはその対象は生物に限られていますが、いずれはコンピューターさえも喰らうでしょう。

彼らはまだそれを扱うのに適した形態を獲得していないだけです。


本部はヤツらを進化のための実験体くらいにしか思っていないでしょうが、それは彼らを甘く見すぎています。

いや、それすら知っていて何もしていないということもあり得ます。

どのみち、わたしたちZ部隊も実験のための駒にすぎないのだろうから。

実験動物の戯言など聞く必要もないと言うことでしょうか。


もし、そうだとしたら、何かしらの番狂わせを用意しないとですね。

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