エンディングフェイズ:シーン6「夏の夕暮れ」

GM:雨が上がり、蒸した暑さに包まれた町。あなた方は踏切に差し掛かります。電車が来る気配はなく、聞こえてくるのはひぐらしの声ばかり。景色は夕暮れ。血のような夕焼け空が広がっています。

 あなたの意識はほとんど虚ろになっていました。体が熱い。血が沸騰しているかのようです。湧き上がる『衝動』が今にも爆発してしまいそうです。もう、抑えきれない――きっとあなたは、あと数分、ひょっとしたら数秒しか、人間でいられないでしょう。

翠瀬苑芽:「先輩、大丈夫ですか……?」

GM:苑芽さんが、心配そうな声をあげます。

紫步:「....ごめんね。....けっきょくわたしがしんぱいかけさせてばっかだ」笑顔で

翠瀬苑芽:「いえ、いえ! 私の方こそ……。でも、あと少しできっと助かります。頑張りましょう。一緒に、いきましょう」

紫步:「そうだね、いっしょにいこう。....ごめん」最後はすごく小さな声で

GM:苑芽さんには聞こえないくらい?

紫步:聞こえないくらい

GM:はい では、苑芽さんは微笑んで、あなたの手を握ります。

 と、その時です。苑芽さんの体から力が抜けて、あなたに倒れ掛かりました。

紫步:支えます

GM:では、あなたが苑芽さんを支えた瞬間です。乾いた銃声が響いて――あなたの視界は赤く染まります。

 斃れ伏す刹那、あなたが見たのは彼方から銃を向けた『人間』。化け物ではありません。撃たれたのは、紫歩さん、あなたですね。

紫步:撃たれた瞬間ほっとした表情を浮かべます

GM:紫歩さんは、最期に、何を思うのでしょうか。

紫步:「ごめん....苑芽、キミには見えなくても、覚えてなくてもずっと、そばにいるから。キミの先輩になれて、キミと出会えて、キミを守れて、本当に...良かった」

 と言って軽く唇にキスをすると体が水の中にいるように揺らいだ後だんだん泡となり、消えていきます まるで存在がうたかたのように

GM:そのぬくもりは、きっと、苑芽さんに残ることでしょう。

 あなたが消えて、しばらくして。

???:「目標の沈黙を確認」

GM:銃を担いだUGNエージェントが呟きました。

???:「一般人の確保に向かう」

GM:別のエージェントが飛び出し、苑芽さんの無事を確認して抱え上げます。

???:「よかった……この人はジャーム化していない」

GM:そのまま苑芽さんはUGNエージェントに抱えられて、安全な場所へと運ばれていきました。

 あとに残されたのは黄昏色の町の中、ひぐらしの声に包まれて、静かに倒れ伏したあなたの骸のみ……。


 貴方はもう助からない。それでも、歪んだ腕で、歪んだ心で。護れたものが、そこにいたから。

 ――貴方の心が死にきる前に。

 ダブルクロス The 3rd Edition『入道雲の空の下』これにて、終幕でございます。

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